現代地方譚6 演劇公演「須崎のまちの物語Ⅱ」(2019.02.2-3)

さー、振り返るぞ「須崎のまちの物語Ⅱ」。
「今年も演劇公演をやりましょう」と、ホゲさんナベさんからお話をいただいたのが昨年6月のことでした
自分の舞台制作者のキャリアの中でも、最上位に位置するほどだった昨年の公演。周囲の評価も高く、プレッシャーガンガンでしたが、それでも前回いっしょに創り上げた仲間が全員いてくれたことで、今年は新しい試みにもチャレンジしながら頑張ってみよう!と動き始めました。
 
が早々に、本企画の精神的支柱となるホゲ子さんと吉良さんが、とってもおめでたい理由で本番にがっちり関われないことが判明しさらに新たな風を吹かせてくれる作家を決めるのにも難航するというスタート。
そんな状況の中、この企画の想いを汲んでもらって真摯にお話を聞いてもらい、初めての世界に飛び込んでもらった谷相さん、本当にありがとうございました。
ホゲ子さんは、現代地方譚のいろんなプログラムを抱えたまま産休に突入し、そして産休に入りながらも各所への連絡などハードワークがたたって体調を崩し、ヒヤヒヤしながらも無事12月末にご出産。
吉良さんも奥さま(これまた私が昨年夏秋の企画でこき使ったため、体調を崩されてあわあわなった)が1月末に無事ご出産と、クリエイション以外のところで心配することも多くありましたが、新しい命をしっかり迎えられたこと、本当に良かった!
そして、ふたりともそんな大変な中にも関わらず、本公演に向けて最大限のサポートをいただけたこと…。ああ、えい仲間や…泣ける…。
 
とはいえ制作過程では、スケジュールが遅れたことにより、作家陣の取材・執筆時間が非常にタイトになり、3人には無茶苦茶な負担をさせてしまいました。あー、あの時の空気のすさみ具合、思い出すだけでも胃が痛くなる…。
 
作家陣は、初参加の谷相さんに、前回経験のかずやさん、なおみさんという布陣でした。
前回は3本の独立した作品を繋ぐ「ブリッジ」というチームを入れましたが、今回は作品を入れ子構造にすることで、よりひとつの作品としてお客さんに観てもらおうということになり、その役目をなおみさんにお願いすることに。
作家としては、自分の作品をしっかり観てもらいたいのに、ぶつ切りにさせられるのは苦痛だったと思います。さらに公募で集まった出演者から、はじめての方や、小学生・中学生、稽古の参加が限られている方も引き受けてもらったこと、稽古進行する上で大変だったことでしょう。それでもこの企画の根源の部分を理解いただいているからこそ、引き受けてくれたんだと思います。ありがとうね。
 
かずやチームは前回、経験と実力を持った役者さんが稽古を引っ張っていったと思うのですが、今回はちゃんとした経験があるのが吉岡兄のみという、非常に負担のかかる稽古だったと思います。それでも役者を信じ、自分の言葉を精一杯使って演出をつけていくかずやを見て、吉良さんと「今回はかずやにとって、もの凄い経験値になるだろうねー」なんて話をしたことでした。そして結果、素晴らしい作品を作ってくれたかずや、さらに一段階高みに登ったなー(お父さん目線)。
 
谷相さんは大学生中心の若いチームを率いてくれました。
途中で出演者の降板があったり、大学生なので年末年始の帰省など、なかなか全員が揃わない稽古。出演者も昨年を経験してるのが野村はるなさんだけという中、手探りで稽古を進めてくれたと思います。結果「笑い」というテーマを入れてくれたことはとっても大きな進化・変化だったと思います。ありがとうございました。
 
総合演出に入ってくれた領木さんと舞台監督を引き受けてくれた委員長の抜群の安定感。みんなのおかーさんとなった眞嶌さんの懐の広さ。芝居に沿った丁寧なオペで物語を彩ってくれた、さやかさん、みかみん。鉄壁の布陣で受付を固めてくれた麗しのお手伝いガール。出演者応募いただいたのにちょうどの役がなく、スタッフにまわってくれた敬三さん。こんな素晴らしいスタッフの元でいっしょに作品を創れたことを誇りに思います。
 
出演の皆さんも、はじめての世界に飛び込んでくれた方、前回から引き続き参加された方、ホントにいろんな立場の方が「須崎」に集い、「須崎」を感じながらの熱演でした。
実は個人的には、出演者募集の際に「前回の公演よりも須崎からの参加者が大きく増えるんじゃないか?」って期待していたのですが、残念ながらそうはならず、ちょっと落胆していた所もあったのですが、回収したアンケートを見ると、「どちらからこられましたか?」の項目に「須崎市内」と書かれた方が激増してました。これが今回なによりも嬉しかったことです。
 
そうよね。
何事も一足飛びには進んでいかないよね。
しっかり地に足をつけて、これからも須崎のまちで演劇の種をまいていかねば。
 
途中何度も不安になったり、しんどくもなった今回(あ、制作してたらだいたい毎度のことか。喉元過ぎれば状態…)ですが、本番を経て、打ち上げでみんなの感想を聞いて、そしてアンケートを読ませてもらって、なんだか救われたなーなんて思いがしたことです。
 
一人では到底たどり着けない世界で、仲間と共に歩める頼もしさ。その仲間をさらに増やせていくためにも、これからも頑張りたいと思います。
ご来場の皆様、心を寄せていただいた方々、関係のみんな、本当にありがとうございました!
 
さー、ひと段落したけん、来週は現代地方譚6の他のプラグラムを楽しませてもらうぞ!!
ひゃほう!

市史には残らない、暮らしの記憶とまちの記憶

須崎に暮らす人々の半生を高知の劇作家3名が取材し、そこから着想したオリジナルの台本を制作。
できあがった台本を、公募により集まった参加者とともに、リーディング作品として上演します。
戦争のこと、まちが賑わっていた頃、まちを出ていった人や残った人、とても私的なエピソード…。
さまざまな年代や切り口で浮かび上がる「須崎」をお楽しみください。

 


出演
池田祐仁、井上華純、梅下里穂、大崎礼梨胡、小松美保、坂埜玲奈、柴 千優 竹内ひかり、竹崎明日歩、虎哲、中平 花、中平妃奈乃、野村春菜、廣田孝義
藤井虎太朗、松岡 陽、吉岡裕太

監修
内藤裕敬(南河内万歳一座)

総合演出
領木隆行(TRY-ANGLE)

作・演出
サカシタナヲミ(シアターTACOGURA)
谷相裕一(TRY-ANGLE)
西本一弥(演劇unitユニット・バス/劇団シャカ力)

演出補助
吉良佳晃(劇団プラセボ/劇団33番地)

舞台監督
岡内宏道(TRY-ANGLE)

音響操作
上村彩華(劇団33番地)

照明操作
三上綾佳(TRY-ANGLE)

進行補助
川島敬三

受付
岡村実記(シャカ力)
恒石佳絵(TRY-ANGLE)
和田有加(屋根裏舞台)

制作
佐々木かおり(すさきまちかどギャラリー)
眞嶌直子
吉田剛治


[日時]
2019年2月2日(土) 13:30開場14:00開演
2019年2月3日(日) 13:30開場14:00開演

[会場]
須崎市立市民文化会館大ホール(舞台上舞台)

[料金]
全席自由 前売り1,000円 当日1,500円

[前売り券販売所]
須崎市立市民文化会館 0889-43-2911
すさきまちかどギャラリー 050-8803-8668

[主催]
すさき芸術のまちづくり実行委員会
須崎市立市民文化会館

[お問い合わせ]
すさきまちかどギャラリー 050-8803-8668