劇団NLT「毒薬と老嬢」(2018.11.07)

本日は県民文化ホールにて劇団NLT「毒薬と老嬢」を観てきましたよ。例によって感想文。の前に、この公演は高知市民劇場さんの例会なのですが、実はわたくし、2年ほど前に某飲み会にて市民劇場の浦田さんに捕まって「そろそろ年貢の納め時やね」と強制入会させられたものの、入会からことごとく公演日と予定が合わず、会費だけを支払いながらどんどん申し訳なく、後ろめたくなっていたところ、2年越しにやっと初観劇できて、よかったよかった。

そして作品がよかったー。
老舗劇団のコメディ作品だったのですが、須崎市立市民文化会館時代に仕事でずっと見ていた市民劇場例会の、当時の自分には上手く入ってこなかった新劇の世界とは違ったスタイリッシュな作品でした。
大ホールの公演特有の、開演直後のセリフが拾えない感じから、客席が集中してくるとちゃんと聞こえてくるこの感覚がなんとも懐かしい。

お話は、キュートな老嬢ふたりと、彼女の甥っ子にあたる3人の兄弟を中心とした、ブラックで不謹慎だけど、切り取り方の妙でなんとも微笑ましいものでした。
身寄りのないお年寄りのお客さまを、かわいそうだからと毒薬入りのお酒を飲ませ、地下に埋葬する老嬢の可愛さ。
お話のもうひとつの主軸の三男モーティマーとエレーンの恋の描き方。
死体までもが笑える対象になっちゃう作り方。

障がいを持っている長男テディと、悪役となる次男ジョナサンの描き方はには若干違和感を感じたものの(原作が書かれた当時では仕方無いものかも知れません)、お話の広がり方と、どういうエンディングに向かうのかという面では、非常に素晴らしい本でした。

そして、それを上演するカンパニーから、若い俳優さんからベテランの方々まで端々から「演劇で生きる」ことの自負を強く感じました。
こんな世界もあったんだなー。
いやー、食わず嫌いせずに、なんでも飛び込んでみるべきだなーと改めて思った次第。

こんな良質な作品を届ける市民劇場さんの丁寧な作品解説や、例会運営にも感心したことです。
僕が須崎にいたころは、オレンジホールで6日間公演して、須崎で1公演するくらいの会員数を誇ってたのですが、現在は会員の減少に苦戦してるそうです。
客席は年配の方が多くいらっしゃいましたが、若い人間も取り込めるよう、なにかしらお手伝いできたらなー。
そういう意味では、高知大の堺くんが普通に見に来てたのは、なんとも嬉しかったなー。

市民劇場観劇1発目がこの作品で良かった。
次回も楽しみにしています!!