Hanbun.sato.co「冬のスケッチ」(2018.12.16)

本日は藁工ミュージアムさんにて、ハンブンサトコさんの「冬のスケッチ」をお手伝いしておりました。例によって感想文。
ちょうど昨年の同日に藁工ミュージアムに来られたこちらのユニット。昨年は蛸蔵でなく藁工ミュージアムでの舞台公演ということで、テクニカル方面のサポートで入ったのですが、もうそのパフォーマンスに見事にやられちゃいまして。それを受けて、次回はもっと沢山の方に観てもらいたいと公演決定からちょこちょこお声がけをさせてもらい、今回は満席の中での公演となりました。パチパチパチパチ。

旧知のヤミーダンス・得居さんと、アニメーション作家の山内さんからなるユニット、ハンブンコに、音楽家の中ムラサトコさんが加わってのハンブンサトコ。
今回は2部構成で、1部はハンブンコ「日めくりの少年」、2部は中ムラさんのソロライブという内容でした。

まず1部のハンブンコ「日めくりの少年」。
こちらはユニット結成した初期の作品とのことでして、山内さんの作った映像を、舞台下手の机の上に置かれた真っ白い本に投影し、その本をめくる得居さんの手をカメラで撮影したものをライブで壁に映し出すという、ああ、説明しにくいw。
まぁ、リアルに動いていく絵本のような感じで、その映像の目新しさ・楽しさからちょっとずつ、なんとも重苦しい展開に。
「日めくり」というタイトル通り、太陽が出て、月が出て、絵本の少年は前に前に進んでいくけど、僕らの日々は楽しいことだけじゃなくっていろんな出来事があるなー。前は楽しいと感じたことが苦痛に感じることもあるよなー。止めようとしても日々の時間は止めることができないよなー…なんて感覚を突きつけられるような。この感情を表現するに、ダンスの相性の良さったらないですね。
エンディングの、季節が変わって雪が降る場面もまたよかった。毎日と、季節と、1年と。なんだかウフフって気持ちになったことです。

そして休憩を挟み(ご来場の皆さま全員で客席を設置し直してw)第2部は中ムラサトコさんのライブです。
中ムラさんの演奏は昨年初めて聞いたのですが、もうこの声の強さよ。それを裏付ける人生経験よw。歌手にとって歌は、その人を表す最良の手段だなー。
そしてミュージアムとの相性がよいよい。張りのある声はマイクを通さなくても気持ちの良い天然リバーブに包まれて、なんとも幸せな空間に染まります。
中ムラさんのもう一つの強さは即興の強さで、お客さまの好きなものを聞いて作った即興曲「ヒサマツ散歩」と、さらに得居さんのダンスも加わった「ソウスケわからない」の見事さよ!特に「ソウスケわからない」の爆発感は凄かった!これはどこかの公共ホールのアウトリーチにもってこいじゃないかしら?
ってな感じで得居さんとのセッションも入り交じりながら、見事な盛り上がりの中で本公演を終えました。
お声がけした人からも「来て良かったー!」って言ってもらって嬉しい限り!

…ですが、ちょびっと残念なのは前半のハンブンコさんの緻密さと、後半の中ムラさんの即興制が独立していたことでして、両者が混じった前作「アタシノアシタ」のようなやっぱり3人が揃った作品が観たかったなー。なんてことを胸に秘めながらバラしていたら「吉田さん、昨年やったアタシノアシタ、あれからさらにパワーアップしてるんです!」なんて報告を受け、ああ、これは再演させたい!今回初めて見ていただいた方に、あの、1+1+1が、なんだか凄いことになるあの瞬間を体感してもらいたい!なんて気持ちがうずうずうず…。

ということで、今回見ていただいた皆さま、次回もお楽しみに!
今回これなかった方も、またご案内させてもらいます!!
そしてハンブンサトコの皆さん、次は腰を据えて飲みましょー!!
お疲れさまでした!!