本日は美術館ホールにて鳥の劇場プロデュース、じゆう劇場「『ロミオとジュリエット』から生まれたもの」を観てきましたよ。例によって感想文。
ちなみに私が前回美術館ホールで観劇したのは「老いと演劇」をテーマに活動するオイボッケシさんでして、そして今回は藁工ミュージアムとシアターTACOGURAの企画に共催という形ではありますが、しっかり今の文化行政の潮流を読み、事業展開を行う美術館はさすがだなーと思ったことでした。
ちなみに県民文化ホールも音楽のフィールドで、多様性というテーマに取り組んだ事業を行っています。
高知にこんな素晴らしい公共ホールがあること、誇らしく思いますな。えへん!
 
さてさてじゆう劇場は、高知の演劇の父というべき存在の鳥の劇場中島諒人さんが演出し、障害を持つ人とそうでない人が一緒になって作り上げる演劇公演です。
一昨年に蛸蔵で、じゆう劇場の「銀河鉄道の夜」の映像作品とトークを観ていたので、今回も期待いっぱいで劇場に向かいましたが、前回は、本を読んだ人間それぞれが頭の中に浮かぶ光景が違うであろう「銀河鉄道の夜」だからこその、「違っているけどいっしょに見える瞬間」にえらいこと感動したのですが、今回の作品「ロミオとジュリエット」は愛や生死感という、人間の根源に繋がる作品なので、はたしてどうなるのか。
 
結論から言うと、ロミオとジュリエットの本筋のパートでは、冒頭の争いのシーンが一番のインパクトでした。
「怒り」のエネルギーの強さこそが、いろんなボーダーを飛び越えちゃうのかー。と、なんともいえない現実を見せられたようなショック。あとは、ふたりが出会う場面の絵としての美しさが際立っていましたね。
 
もうひとつロミオとジュリエットの物語と平行して、舞台に立つ皆さんの暮らしや恋のお話が語られていくのですが、例えばリアルなのに苦笑しちゃうようなエピソードや、胸が苦しくなるような一生背負う恋の経験を、ご自分の言葉で語られるシーンこそが本作品の中心なんだなーって思ったことです。
後半の善悪の両面性の話、そしてつぼみの話、エンディングで出演者が一列に並び花を置く場面。美しかったなー。
 
一方で、この作品を観に来られるお客さんの層をどこに捉えていたのかがちょびっと分かりにくかったです。
言葉を尽くして分かりやすく描くためなら、ラストの皆さんの一言エピソードはあった方が良かったかも知れないけど、個人的には生年月日だけでも十分すぎるくらい伝わったのになー。倫理観の押しつけにも取れちゃうあの場面は、ちょっともったいないなーなんて思った次第。
 
最後に、舞台に立つ皆さん。みんな素晴らしい俳優でした。
視力障害を持つ方が冒頭に介助なしで舞台前まで歩み寄った場面に、表現者の覚悟を持って舞台に立つ皆さんの全てが詰まっていたように思います。
 
ああ、あちゃこちゃするくらいとりとめも無い感想ですが、本企画を立ち上げ、複数年にわたるプロジェクトを継続している藁工ミュージアムさん、シアターTACOGURAさん、これからの活動もめちゃくちゃ期待してまっせー!と締めたいと思います。
みなさん、ありがとうございました!