本日は神戸アートヴィレッジセンターにて、Fの階「なにごともなかったように再び始まるまで」を観てきましたよ。
昨年企画しました、タネマキカク「・・・」にて戯曲を使わせてもらい、高知にも観劇に来ていただいた久野那美さんのユニット「階」。
タネマキカクのご縁で、久しぶりに吉田カー定員いっぱいの一行6名で向かいました。たくさんの再会も嬉しい限り。

さて感想だ。
作品の全てではないかもですが、久野さんは会場に合わせた本を書かれることが多いそうで、今回はKAVCから「映画をテーマにした演劇作品」という依頼から作品制作がはじまり(共催企画とのこと)、そこからある事情により「映画館をテーマにした演劇作品」になったそうでして、劇場はまさに映画館。
超リアル。というか、そのもの。

そのKAVC地下にある映画館を「新開地オリオン座」という架空の映画館にし、「春のWAKUWAKU映画まつり」と題した全6作品のオールナイト上映の最中のアクシデントから始まる物語。

映画館には満員になっても、残しておく空席があるという話。
劇中死んでしまった主人公は幽霊となって劇場を彷徨うという話。

観客に配られたパンフレットには、「WAKUWAKU映画祭り」で上映する6作品の解説が書かれており、その解説が実際の演劇作品のガイドにもなっていました。
自分は観劇前には余分な情報を入れず、後になって目を通すようにしているのですが、今回はこのパンフを事前に読んだ場合と、読まなかった場合の感じ方もまた違って面白いんだろうなー。どちらが正しいという訳でなく、どちらからでも楽しめる作り方は久野さんの作風にも繋がっているんだろうなって思ったことです。

そしてこのパンフで6作品中唯一ストーリーを記されている作品が「・・・」と直結するようなSFで、誰も同じ想像ができないであろう絵を浮かべ上がらせようとする作り方。一方で劇中の登場人物が言った「広い空間にひとつの時間だけが流れている場所はとても静かだ」という台詞の普遍性。
このふたつが入り交じるのが久野節なのかなーなんて思ったことでした。

登場人物の誰が幽霊で、誰が生きているのか、なんてことも帰りの車中で言い合ったことです。
正解がないようできっと久野さんの頭の中にはあるんだろう(だからこその小道具を含めた細部の精巧さよ!)。でも受け取る側ひとりひとりに彼ら彼女らのリアルを感じてしまう、すてきな劇体験でした。

物語のエンディング、まさに映画が終わった客席のような、現実と物語の境目のような、もの寂しい感じが非常に印象に残った次第です。
あー、おもしろかった!
金曜から月曜まで一気の8ステ、明日も頑張ってくださいね!関西圏の方はぜひ劇場へ!

以下余談。
久しぶりの観劇ツアー、車中は柴花コンビの1+1が10にも20にもなる、かしまし娘パワーを思い知りました。
帰り道、晩ご飯も食べてゆっくり車内で寝てくれても良いのに、しりとりゲームや古今東西ゲームで盛り上げていただき、ありがとうございました。
写真はFの階のお洒落なフライヤーのような雰囲気(?)の不思議集合写真と、「点転」の棋士2名の遭遇。