ショープロジェクト「君ハ嗤ウ」(2019.10.04)

お笑いコンビ、熱燗ドラゴンのマネージャーを務める戸梶さんが中心となって立ち上げた、ショープロジェクトの第1回公演「君ハ嗤ウ」を観てきましたよ。例によって感想文。

熱燗ドラゴンさん、まひろさんとタレントを揃えて、さらに他ジャンルで活躍するkatさん、Chadさんがはじめて演劇の舞台に立ち、大車輪の演劇活動を行うあらっきーと元屋根裏舞台の由加子さんが物語の主軸を担うという座組み。
協賛の集め方や、プロモーションの仕方、蛸蔵規模の公演では珍しい託児のサービスなどなど、意欲的な取り組みも多く見受けられました。

さて作品について。
お笑いライブの楽屋を舞台に、清水邦夫さんの「楽屋」をオマージュした演劇愛溢れる戯曲だったのですが、残念ながら物語が上手く活きていないように感じてしまいました。
「相手の言葉や行動・感情を受けて、自分の中でなにかが湧き上がって、自分の行動や台詞に繋がる」ところが見えず、舞台上でのやりとりが会話として聞こえずに、それぞれが台詞を出し合っているように感じてしまったのが一番の原因かもしれません。
まひろさんの一人語りの場面をはじめ、出演のみなさんが力一杯頑張っているのは伝わったのですが、自分が個人的に思う「演劇ならではの面白さ=相手との関係性」があまり表現されてなかったように感じた次第です。

一方、熱燗ドラゴンさんの漫才のパートはお見事で、お見事すぎて際立っちゃって、物語から浮いてしまったようにも感じました。物語の構成の仕方や、本編の絡ませ方など、なかなか難しかったのかなー。

うーむ…。否定的なことばかりを挙げてしまいましたが、今回が第1回公演ということで、さらにプロデュース公演なのかな?次回以降にいろんな課題をクリアしていって、高知の演劇に新しい風を送り込んでいただけたらなーと強く強く思っております。

何よりも初回公演で5ステージをしっかり埋めたことは本当に凄いことで、きっとそのお客さまの中には、はじめて蛸蔵で演劇を観てくれた方も多くいらっしゃるんじゃないかと思います(ありがたや)。
引き続き、どうぞ高知の演劇を盛り上げていきましょう!