演劇鑑賞会という不思議なシステム。
全国的な会員の高齢化や会員減にもかかわらず、加藤健一事務所はそんな状況に合わせて費用面だったりを抑えてを対応しているんだよと大先輩のヤマさんに教えてもらいながらの観劇でした。

今回は加藤健一さんと加藤忍さんの2名による出演、そしてほかの登場人物は風間杜夫さんと高畑淳子さんの録音による音声での出演という、なかなか珍しいスタイルで、「南総里見八犬伝」を執筆する滝沢馬琴の家庭のドタバタを描いたコメディ…だったんだろうか…。
滝沢馬琴と、滝沢家に嫁いできたお路の関係性の変化と、互いの心情を描いた作品で、後年目が見えにくくなり、作品執筆ができなくなった滝沢馬琴の代わりにお路が口述筆記を務めていたという実際の出来事が物語の一番の盛り上がり…なのかなぁ。

丁寧な舞台の作り方や、時間の経過の見せ方など、老舗劇団らしい作りもある一方で、声の出演の出し方が、舞台セットの前にSX300(スタンド型のスピーカー)を立てて、実際の音位関係なく台詞を流すことの違和感に加え、その声の出演の過剰なキャラクターというか、全く舞台上の登場人物と違う温度が、物語の世界に入ろうと頑張る観客を蹴落としたような印象です。

声だけの出演とするならば、相当緻密な魅せ方が必要なのに、逆に「こういうお約束ごとですよー」って開き直る演出意図が分からない…。
何かしら丁寧な作りを続けて一周回ったらこんな感じなんだろうか…。