一昨日は蛸蔵にて、劇団彩鬼「蟲ヶ蠢」を観てきましたよ。少し時間が空きましたが思い出し感想文。
 
高知の劇団の中で圧倒的な個性を放つ彩鬼さん。
生演奏の音楽と、過剰なほどの照明、装置、衣裳で作られる世界と、語り部・恵那さんの口上で始まり、終えるスタイル。
物語の決定的な場面を冒頭に見せ、リフレインさせていくのもそうですね。近年は彩鬼さんの創り方がしっかり確立されて、その上で「物語をどう(例えば説明的にならずに)伝えるか」や、場面場面の「絵」の美しさをどう際立たせるかなど「足し算」から「引き算」の創り方に変化していってるのかしらなんて思ったことでした。
 
そんなソリッドな創り方に一番必要な要素は、俳優の力量です。
今回客演されたシャカ力の行正さん、昌子さんの存在感は素晴らしく、彼らがいるだけで物語の説得力がグッと引き上げられていました。
また、まおさんが初めて出てくる場面の絵の美しさには、感嘆のため息が漏れました。他にもオプティさんやBPさんをはじめとする個性的な出演者を束ねる彩鬼パワーはもうお見事でした。
 
物語はヤマタノオロチを題材に、オロチという存在の悪の面と、実はオロチがいることで世の中の疫病や災いを防いでいたという2面性、人の心の弱さに入り込んで取り付く「蟲」を成敗する人間の心の弱さ、「蟲」のみを斬ることができる剣の持ち手を襲う魔力と、仇討ちのエピソードもそうか、もともとこれまでの領さんの本には「一方向だけでものごとを見ちゃいけないよ」ってメッセージがあったと思うのですが、今回は徹底して両面を見せる創りになっていました。
自ら「厨二病」なんて言っちゃう彩鬼さんですが(確かに剣のくだりはその辺感じましたがw)、やはり作品の中に、今の時代が浮かんでいるようにも思えた次第です。
 
ここから先、彩鬼はさらに洗練されていくのか、あえて違う道にダッシュするのかも含め、次回公演が今から楽しみになってきました。
ひとまず、REDの営業を続けながらこの作品を創り上げた恵那さんに、最大級の拍手を送ります!お疲れさまでしたー!!