南河内万歳一座「ターニングポイントフェスティバル」参加作品(2020.09.19)

「演劇を止めるな、芸術を止めるな」の合い言葉のもと、関西を中心に活動を行う劇団やユニット・総勢18団体がABCホールに集った「ターニングポイントフェスティバル」。

初日のステージに我らが南河内万歳一座も参加しました!

いろんな劇団がそれぞれ熱のこもった作品を発表する中、万歳は!なんと!!
次回公演に向けてのミーティングw!!
あたくしミーティングをテキストにまとめるのは得意なのでw今回は感想じゃなく実況メモでお届けします。

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来年1月に一心寺、スズナリ、北九州芸術劇場で公演が決まっている。
コロナ対策はしっかりやらないといけないけど、俺たちの芝居はフェイスガード、マウスガードで舞台に出たら台無しだ。

なので考えた。腹式呼吸禁止。大声を出さないでボソボソ台詞を言おう!
「それやったら相手の台詞わかりませんやん」
そこはうまく口元みたりしてな。
「お客さんにも台詞聞こえませんよ」
じゃあ、台本を買ってもらって、暗記してもらおう!

また、いつもみたいに暴れるとハアハア言うから、今回は暴れない。
そして台詞を言ってる人以外は飛沫感染を防ぐために、息を止めて目を閉じる。
「けどそれやったら長台詞は困るんじゃない?」
じゃぁ、サム、試しに今から息を止めてみろ!(そして放置)

客席は、舞台がこんな調子だから、お客さまが眠らないように気をつけて。
もしくはお客さん全員に3日前にPCRを受けてもらい、本番までホテルにこもってもらう。
ホテルから劇場までの移動も感染リスクを考えてタクシーで来てもらう。
この費用は全て劇団が出す!!
そうなれば客席に陽性者がいない状態で芝居ができる!!
ただしチケット代は20万円にしよう。

稽古についても考えよう。
稽古場での感染リスクを考えて、極力稽古をしない、せいぜい3日くらいだな。
その代わり各自家で自主練、どうせボソボソだし。

まぁここまでいろいろ言ったけど、やっぱりそれは嫌だわ。

そこで俺はこれしかないというアイデアをふたつ考えた!
ひとつめは、いつも通りできるやり方として、劇団員もお客さまも全員着ぐるみでやる。
「それやったら顔が見えませんやん」じゃぁ、ガムテープに名前を書いて胸に貼っておこう!
「台詞自分の中だけでめっちゃ響きますね」
「あのクマさん良かったなんて感想が出るかもね」
これだったら今まで作ってきた劇世界が再現できるぞ!

もうひとつは…やらない。
やらなくたって演劇の火は消えない。
「俺たちがやらないと演劇の火が消える」なんて、そんな小さな火じゃない。
コロナと戦わないようにするって手もある。

お、そろそろ時間だ。
とりあえず、まぁ、そんな方針で、精一杯、できる限りチャレンジを!

…って、今日他の皆さんはしっかり芝居してるのに、俺たちだけこんなことでいいのか?
鴨「大丈夫、そんなことで演劇の火は消えない」

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見事な…神がかったような…オチでした。
万歳最高やわ。

そしてそれぞれで考えるだろう「演劇の火」よね。
状況に合わせて変わっていくものと、そうでないもの。
現在を俯瞰する気持ちと、感染症だけじゃなく、一気に怪しくなる世の中に対して抗う気持ち。

まとめたり、所感を伝えるんじゃなくて「お前も当事者だぜ、お前はどうするの?」って投げかけられるようなこの感じは、僕の万歳初体験だった作品「みんなの歌2」からなにも変わっていないように思えます。

演劇に関われて、よかったなー。