ユニットバス旗揚げ公演「いつか、いつもになる、いつか」を生暖かく見守ってました(手伝ってはない)。千秋楽公演を客席で観劇したので、例によって感想文。

今回このユニットが立ち上がった「先輩に頼らず若い演劇人でいちから作品を創る」という目的のもとに集った出演者・スタッフの熱意が十分に伝わる作品でした。
そして作・演出を務めた西本君、制作の筒井少年の人柄がうまい具合にブレンドされてみんなに浸透して、関わるみんながそれぞれに力を発揮するような座組みの良さも非常に印象に残りました。それぞれが所属する劇団以上に、みんなが目の色を変えてこの公演を成功させようと頑張っていたようにも感じます。劇団運営のあり方も考えさせられましたな。

またこの座組みは「20代で真剣に演劇に向き合う人」というテーマがあり、僕自身20代の高知の演劇人をあまり多く知らなかったのですが、高知大、工科大、県立大の皆さんが自劇団以外の演劇人と稽古を重ね、劇場に入ってしっかり作品を創る経験をされることも非常に意義があったと思います。

作品については、どこから感想を述べていいのか…。
僕が西本一弥という人間と知り合ったのが自分がプロデュースと照明を担当し、彼が装置補助と音響で入った高知演劇ネットワーク演会合同公演、内藤裕敬 作・演出「雨かしら」からなので、ちょうど3年ほどの付き合いなのですが、この3年の間に彼と一緒に飲んだお酒の量や最低な馬鹿話、大阪観劇ツアーの車中の互いをさらけ出すようないろんな話などなど、彼は僕にとって本当に大切な友だちだと勝手に思ってまして、そんな彼が自分の半生や体験したことをこの作品に詰め込んだというのは、ある意味彼がこの作品をひっさげて表現者としての道を進むんだという、覚悟を感じた作品となりました。

それぞれに問題や傷を持った登場人物が、互いに影響を与え、影響を受けながら「なぜ生きるかということを考える」「どう人生を歩むか考える」という構造。正直エピソードの量など、作品としては詰め込みすぎた印象はありますが、それは今回彼の実質処女作(ホントは2作目ですが)として、全てを吐き出さねばならないのだろうなと考えて受け止めました。

それに応えた出演者も、それぞれに西本一弥という存在を大切にする仲間だからこそ、足りない台詞や感情を埋めていったんじゃないかと思います。それはスタッフも同様で、なんというか、優しい愛情に溢れた作品でした。

厳しいことを言えば、若いみんなで創り上げたからこそ生まれる素晴らしい瞬間もある一方、精度の面や経験で補える箇所がダメだったりしたのも事実。でも今偉そうにしてる人間も、みんな最初は怒鳴られたり転んだりして大きくなってるんだと思います。
ここに関わった座組みのみんな全員、課題は各自分かってるでしょう。それでも今回の経験をどうか胸を張って、次の作品に向き合って欲しいな。
表現を諦めず、今日の終演後の誇らしくて恥ずかしくって、背が伸びた気分をずっと持ち続けてね。うっふん。