仏団観音びらき「蓮池温泉 極楽ランド」(2016.11.03)

いやはや凄かった仏団観音びらきさん。

主宰の本木さんとは、一昨年に高知で上演した南河内万歳一座「ジャングル」(客演されてました)からのご縁ですが、その時に内藤さんから「こいつの劇団は凄いよ、クレイジーだよ」という紹介を受けたのが印象に残っておりました。

昨年の復活公演は残念ながら仕事の関係で行くことができず、今回満を持しての初観劇。
観劇ツアー同行者を募るも、周囲で観音びらきさんを見た方はおらず、自分も見ていない中「なんだかすごいらしいよ」というふんわりした紹介で集まった有志(好き者)3名で臨みました。

開場中に客席を練り歩き、セクシーと物販の押し売りをするお姉さんにドギマギしながら迎えた本番。
冒頭10分の無闇な勢いとチープさと不気味さ(ナンマイダー連呼を一心寺でやってるシュールさよ)をこれでもか!とぶつけられる劇中劇の場面では、内心(しまった、これはしんどい)と思ったのですが、そこからの展開は見事でした。

さびれた温泉街のテーマランドを舞台に、自分の夢に折り合いをつけられず、なんとか日々をやりすごす役者やダンサー達の生きざま。ほとんど消えかけている家族の絆を、それぞれの立場で不器用に繋ごうとする親子。ダメ人間達が織りなす、笑えて、醜くって、けどうんざりするほどリアルなそれぞれの愛の形。

シンプルでわかりやすいストーリーの中に、ほんとどうでもいい(失礼)エピソードやネタをギュウギュウ詰め込み、溢れ出しても知らん顔で、でもそれがなんだか気持ちよくも感じる不思議な構成。
圧倒的なバカバカしさと熱量の中、迎えるエンディングの場面ではまともな感覚を失っていたみたいで(失礼)、気がつけばヘンな感動で胸が震えておりました。「演劇じゃないと成立し得ない、劇的な瞬間に立ち会ってしまった!」みたいな。

終演後は得体の知れないエネルギーをいただいて、異様なテンションで帰路につきました。
個人的には地獄の10月が終わり、いろいろ調子を崩しそうだったので、ここでいただいた元気をうまいこと活用して乗り切っていこうと思います。

あー、おもしろかった!
みなさん、ありがとうございました!!