劇団シアターホリック「孤独、あるいはマルキドサドに学ぶ幸せな人生の過ごし方」(2017.11.22)

今日はメフィストフェレスにてシアターホリック「孤独、あるいはマルキドサドに学ぶ幸せな人生の過ごし方」を見てきましたよ。

面白かった!
僕の思う松島さんの魅力が、松島さんの一人舞台という意外な形で輝きまくってた!!
作品としては今年の演劇祭で上演された「サド公爵夫人」との連作という形で、前回は三島由紀夫の戯曲に高知の実力派女優陣を総動員してぶち当たり、今回は松島さんのオリジナル作品として、繰り返しですが一人舞台という、舞台もいたってシンプルな形での上演でした。

ある青年の転落人生の中に見える社会の無情さや、人間の弱さ、そして愛情の不変さやその距離や状況によって変わる感情の移ろい、そしてサド公爵を思わせる「先生」という社会的存在。
まさに今の世の中にある、いろんな脆いものたち、不条理なものたちが散りばめられている素晴らしい作品でした。

僕が今まで見たシアホリの作品の中で、一番好きだった「希望の星」。
少女売春という重いテーマを、リアリティを保ちながらも力技のファンタジーと無理矢理なハッピーエンドで描いた作品でしたが、今回の作品は「希望の星」の連作と言ってもいいくらい表層のテーマは近く、さらに救いのないくらいのリアリティで描かれています。
それをただ重く伝える訳でなく、追い詰められる青年を滑稽に表現できる松島さんの「軽さ」や「優しさ」。
作品の根源はしっかり俯瞰の視点で書かれているんだろうけど、舞台上ではまさに追い込まれ、その状況に慣れ、さらに落ちぶれる青年の視線のままで進行しており、エンディングに向かう(乗り込もうとする)直前の、青年の罪の意識と、その場になってやっと感じる愛情の大切さは、胸が締め付けられるようでした。

物語のラストについては、観劇直後の今では上手く消化できてません。松島さんはなにを客席に問うたのだろうか。
本気でもう一回見たいな。

本公演はこの後11月27日(月)28日(火)の2公演を残していますよ。だれかいっしょに見にいかんかねー!
いろんな人と見て、観劇後にいっぱい語り合いたい素敵な作品でした。
松島さん、シアホリのみんな、来週も頑張ってー!!