劇団シアターホリック「スクラップ」(2014.06.07)

さて、たいそうためになる講義を聞き、帰りのバスでも今後の高知演劇のキーパーソンといろんなお話もでき、充実感いっぱいで高知に帰り着いて向かったのは演劇祭KOCHI2014の3週目、シアターホリック「スクラップ」です。
帰りのバスがなぜかETCで引っかかり、到着時間が10分ほど遅れてしまったため、タクシーに飛び乗って向かったシアホリは果たして…面白かった!

今回は、今年1月にシアターねこさんにて行われた劇王で上演した松島さんの書き下ろし「新春ドリームジャンボ」と岸田國士さんの名作「葉桜」、チェーホフの短編「煙草の害について」の3つの戯曲を壊して再構築するという内容でしたが、まず、なによりも、戯曲家としての松島さんの才能に震えました。見事にひとつのしっかりした演劇作品になっている構成、何気ない会話のやりとりのセンスの良さ、それに加えてテンポの良さと笑いの要素が的確に配置された演出面、見事です。

そこにのっかる役者陣もすばらしいキャラクター!以前はしおりさん、花ちゃんのアクの強さが引き立ってましたが、今回はそれに加え、阿井ちゃんの頑張りっぷりもよかった!そして初舞台になるのかな?今野君の独特の不気味若者キャラクター(地かしら?)も楽しませてくれました。その中でも一番笑ったのは、しおりさんの「どんぐりころころ」です。この人は高知の宝だ。

少し気になったところと言えば、オープニング直後の台詞が届かなかった箇所や、ラスト前(2つめのお話が終わった後の個人コーナー)のくだりが若干蛇足気味だったかしら。一気にエンディングに引っ張ってくれた方が面白かったかも知れないと感じたのは、個人の感想によるもので、効果を保証するものではありません。

いや、そんなあら探しがバカらしくなるほどセンス・個性ともホントに素晴らしかったシアホリさん、満喫させてもらいました!