人形劇団ひぽぽたあむ「かえるくん・かえるくん」(2018.12.06)

本日はかるぽーと大講義室にて高知市こども劇場さんの例会、人形劇団ひぽぽたあむ「かえるくん・かえるくん」を観てきましたよ。例によって感想文。

こども劇場さんの例会に参加するのはこれで3回目で、特に初回の幼児例会で観た人形劇団ココンさんのクオリティに衝撃を受けてたので、今回の幼児例会もひっっじょうに楽しみにして臨みました。

結果として、ちっちゃなお子さん対象の公演だからこそ、ものすごく緻密に作られてたココンさんと比較して、ひぽぽたあむさんは、オールドスタイルと言いますか、自分がこどもの頃に観て、こどもなりに疑問を持ってた人形劇団の残念なテイストを感じました。

ひとつは始まり方。「あの子が座ったら始まりますよ」なんて挨拶はまるで学校の先生のよう。
ふたつ目は小作品を2本上演したのですが、その間に挟んだオランダのお話は明らかに保護者の方に向かってた内容で、一度舞台に向いていた、とっても脆い会場の集中力が見事にそがれていくようでした。

決定的だったのはお話の内容で、1本目はまだみんな共有できる楽しいものでしたが、2本目のクマちゃんと出会って、仲良くなって、けど理由もなくクマちゃんがサヨナラして、サヨナラって悲しいよねーって場面を長く見せた後に、クマちゃんがやっぱり帰ってきたよ、嬉しいな!って終わり方は…。原作がそうなのかなー。そこに至るまでの何かはなかったのかなー。

全体には人形の可愛い所作や、こどもちゃんのハートを掴むような音や動きもあって、たくさんのお客さまは目をキラキラさせて楽しんでるものの、どこかしら誠実さ…。手慣れ感というか、大人もこどもも関係なく、良い作品を作ろうとする意気込みは感じにくいものでした。
その中でも男性の俳優さんの声は素晴らしかった。あの人がセリフを喋るだけで、会場の空気が変わってた。これが役者の力なんだなーなんて思ったことでした。

僕は最後列に座ってたのですが、その隣におばあちゃんと来てた女の子が座ってて、興味はあるけど前のこども席に行きたくなくって、でもはじまったらやっぱり後ろからでも集中して舞台をみて、そして作品の弱いと思う場面では明らかに集中が切れて、ラスト付近で「もう終わる?」っておばあちゃんに聞いて、終わったら「ちゃんと最後までみたき、○○買うてよー」なんて行ってるあの子はウン十年前の僕のようでしたよ。

あの子も、どうか観劇が苦痛に感じる前に、大好きな作品に出会って欲しいなー。
がんばれ、こども劇場!!