空晴「明日の遠まわり」(2019.09.14-15)

べっちさんとの「いつか高知公演を実現しましょう!」という話を、ある時は劇場のロビーの立ち話で、ある時は打ち上げの席で、ちょっとずつ進めていき、数年越しに実現した空晴の高知公演、無事終了しました。
プロモーションのことや動員のことで苦しんだものの、最終的に多くのお客さまにご来場いただいたこと、そしてそのお客さまに、素晴らしい作品を観ていただけたこと、本当によかった!

普段演劇をあまり見られない方にもご案内して、ご来場いただいたのですが、みなさんから「面白かった!」「誘ってくれてありがとう!」「また呼んでよ!」と、ありがたいお声をいただいて、ガッツポーズを決めまくったことです。
あー、よかった。くつろいだ。

以前にも書いたのですが、空晴はどの作品も根底に流れる「愛情」と「痛み」という大きなテーマは変わらずに、その切り取り方や魅せ方を作品ごとに変えているんじゃないかと思っています。
たまたまなのか、べっちさんの作り方に変化が出たのか、冒頭から観客の頭の中を「??」とさせる、すれ違いまくる登場人物の関係が、過去の作品よりも今回は理解しやすく、さらに「黄色」と「ピンク」のふたりの女性を主軸にした構成も非常に分かりやすい作り方で、はじめて空晴を観ていただく高知のお客さまにバッチリはまったんじゃないかと思います。

一方で今回の「痛み」のテーマは相当にヘビーでした。
誰もが生きていく上で、どこかで直面するであろう「結婚」「出産」という大きな機会。
決してゴールではないけれど、人生を左右する大事な選択は、どちらかを選んでも、きっと選べなかったもうひとつの人生を胸にしまって生きていくんだろうな。
結局一度も現れなかった「公園でこどもを叩くサングラスの女性」と、舞台上の愛すべき登場人物と、客席の自分たちの人生は、きっとどこかで繋がっているんじゃないかなと、なんだかいろんな思考が今も頭の中でグルグルとうねっています。

客演の皆様、ステキでした。特に林さんとべっちさんの対決シーンは素晴らしかったなー。
毎回客演の方のハマり具合に感心するのですが、今回はちーやんとコマの空晴ヤング2名がさらに進化していたこと、さらにそのふたりの少しガタガタしたところを丁寧に受け止めて返す(一見飛び道具専門に見える)小池さんの意外な懐の深さに「空晴は、ちゃんと人が育つ、劇団らしい劇団だ!」と、なんとも嬉しい場面をたくさん見させてもらいました。

西崎さんの丁寧な照明(タッチが命だそうです)、ジャニさんの音響(あの遠くから鳴っている街の音の凄さ…)も空晴に無くてはならない存在ですし、さらに今回の高知公演、舞台監督の青野さんがスケジュールの都合で来れず、ピンチヒッターで舞台監督として参加した我らが領木隆行の大活躍に、勝手に誇らしい気分になっていましたw

きっと今回の高知公演で空晴ファンがたくさん生まれたに違いない!
このご縁をしっかり育てていくぞー!!

ご来場の皆様、心を寄せていただいた皆様、本当にありがとうございました!
そして空晴のみなさん、これからもよろしくお願いします!!