本気の演劇ワークショップ(2020.11.16-22)

細川貴司「本気の演劇ワークショップ」全日程終了しました。
すごかった…!

俳優は稽古場でどれだけ自由に発想し、面白がれるかを、エチュードへの向き合い方含めて学んだ月曜から金曜のAコース。
稽古場は実験する場所だからこそ、都度いろんなトライをするべきで、最終的に作品の責任を負う演出家が「今回はこうしたい」と取捨選択する形こそが正しい演劇稽古だよなーって、あらためて思った次第です。
演出家のプランを形をなぞって再現するのではなく、舞台上で起こりうる全てのことにウソをつかずに向き合い、反応することこそが俳優の仕事の面白いことよね。
こういう稽古場が高知の劇団のなかでもたくさん生まれますように。

それをさらに純化したのが土日のBコースでした。
各日5時間という長丁場。
俳優の基礎訓練、発声やアップはどういう意味があるのか。
日頃の鍛錬で身体的な器を広げることや、本番に向き合うためのコンディション確認の意味など、あまりにベーシックだからこそ、その意味を問うこともなかった基礎稽古にみっちり向き合うこの内容だけで「やってよかった!」と思える瞬間でした。

その後は戯曲をどう読むか、台詞を読む以外にどれだけの情報が戯曲に埋まっていて、それをどう見つけて読み解くか。
2ページ程度の台本を読むなかで、何度も止めて「いまウソをついた」「居場所がないのをごまかした」「ダメ出しを受ける時に、恥ずかしいから分かったふりしてやりすごそうとしている」など、俳優だからこその視線で厳しく指摘する細川さんと、それに食らいつく参加者のみなさん。
それぞれに足りないことを突きつけられながら、必死に乗り越えようとする皆さんの姿に、ぐっときてしまったわたくしでした。

地方で行う演劇ワークショップはどちらかというとプロモーション要素が強く、1日かせいぜい2日でその劇団や演出家のさわりを知ってもらう内容になりがちですが、今回の細川さんのワークショップは、過去最高の演劇愛を感じる素晴らしい機会となりました。

願わくば、あの人やこの人にも体験してもらいたかったなー。
指導する側が受けたら、高知の演劇はえらいことになるやろなー。

ま、今年はこれで終わりやけど…。
これはもう一回やらなければ(メラメラ)…。

細川さん、ありがとうございました!
そんな細川貴司さんの本公演「セツアンの善人」は12月4日(金)〜6日(日)蛸蔵にて上演!日曜売り切れ間近!ご予約はあたくしまで!!


2007年まつもと市民芸術館の芸術監督・串田和美の呼びかけで結成され、現在も国内外で高い評価を受ける 演劇集団・TCアルプ。その旗揚げメンバーである高知出身の俳優・細川貴司による、TCアルプの創作を探る Aコース、俳優の基礎をしっかり学ぶ Bコースの2つのワークショップを開催します。


Aコース
①11月16日(月)19:00~21:00
②11月17日(火)19:00~21:00
③11月18日(水)19:00~21:00
④11月19日(木)19:00~21:00
⑤11月20日(金)19:00~21:00

TCアルプの創作に欠かせない「稽古場で発想する俳優」をテーマにした連続講座。「こどもの頃の記憶」など、参加者のエピソードを互いに「面白がる」事、そしてそれを他者が「語る」事から演劇を立ち上げます。聞き手と話し手に別れて再現するとどうなるか、全員で俳優的発想で演出をしてみるとどうなるか。エチュードの技法も交えながら、「稽古場で発想する」俳優は稽古場にどう臨むのかを学ぶ連続プログラム。


Bコース
①11月21日(土)13:00~18:00
②11月22日(日)13:00~18:00

その演劇のアップは何のため?発声や身体訓練、空間認識の基本をイチから学び、演技に関わるさまざまなメソッドを自分のものにするための基礎を学びます。また読めている気がするけど実はなかなか読めない「戯曲」への取り組み方のヒントをお伝えします。
テキストはカレル・チャペックの「白い病気」。
戦争目前の世界で、突如流行り始めた未知の疫病-。
疫病と戦争テーマに記した1937年の戯曲を立ち上げていきます。


■会場
蛸蔵(高知市南金田28)

■対象
演劇を真剣に学びたい方(年齢不問)

■参加料
各回 一般1,000円、学生500円、高校生以下無料
※基本各コース通しての受講を推奨しますが、1回ごとの参加も受け付けます。
※Aコース全て受講される方は参加料一般3,000円、学生1,500円になります。

■定員
各回10名

■お申し込み・お問い合わせ
ヨシダワークス 090-6488-8401(ページ下部の申し込みフォームからお申し込みいただけます)


細川貴司
1981年高知市生まれ。俳優。
日本大学藝術学部演劇学科を卒業後、まつもと市民芸術館芸術監督串田和美の「松本から演劇を創造し、発信しよう」との呼び掛けに応じて2007年長野県松本市に移住し、TCアルプの旗揚げに参加。
以降まつもと市民芸術館を拠点に地方都市ならではの文化芸術の発展を目指して、串田和美をはじめ、白井晃、加藤直、山本清多、木内宏昌、森新太郎、小川絵梨子等の演出による作品を創造し、発表している。


蛸蔵でのささやかな発表会
「セツアンの善人」 (ベルトルト・ブレヒト作『セチュアンの善人』より)
脚色・演出・出演:細川貴司

日時:12月4日(金)19:00/5日(土)14:00/6日(日)13:00開演
会場:蛸蔵(高知市南金田28)
https://sezuan.takashixsolowork.com/


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