テアトルエコー「八月の人魚たち」(2020.11.27)
昨日は高知市民劇場例会、テアトルエコー「八月の人魚たち」を観てきましたよ。
アメリカの3人の作家が共著した戯曲をはじめて日本で上演した作品だそうです。
舞台はとあるコテージ。
大学の水泳部の同期5人の女性が、卒業後も毎年8月にここに集まって友情を深めるというもので、1幕は44歳、2幕は49歳、3幕は54歳…と時間を進めながら、それぞれの半生を描くというものでした。
物語後半では携帯電話も使ってたので、設定は現代なんやろな。
登場人物はバリバリのキャリアウーマンとして働く女性や、修道院で神に仕える女性、悪い男に捕まって暮らしに困窮する女性など、同じ大学を卒業しているのにここまで違う人生になるのは、なにかしらデフォルメしているからかしらね。
それぞれの人生の選択を、互いに受け止め、見守り合いながら年を重ねていく物語。
衝突の描き方もある意味穏やかで、いつの間にか舞台のコテージから見えるであろう海のような視線になっていました。
下り坂に入った自身の人生をどう生きるのか…なんてこともぼんやり考えたり。
一方、物語のキーワードであろう水泳部の合い言葉「早く泳げば、早く勝つ」の意味が分からなかったことや(ことわざみたいなものかしら)、時代や国の描き方がことごとく「はて?」となったのも、自分自身がアメリカの実際を知らないのが最大の理由だと思うけど、ひょっとしたら創作面でのリアルとデフォルメの境が曖昧だったのかも知れない。
ある意味貴重な異文化体験でございました。