サエボーグ「Cycle of L」(2020.12.16)

県立美術館ホールにて、サエボーグ「Cycle of L」を見てきましたよ。
サエボーグさんは、ラテックス製の着ぐるみ(スーツ)を自作し、自ら装着するパフォーマンスを展開するアーティストさんで、あいちトリエンナーレでのパフォーマンスも話題となりました。
今回はカンパニーメンバー(?)に加え、内臓さん増量と称した公募によるパフォーマンス参加者も加わり、豪華なステージということでワクワクしながら会場へ向かいました。

会場に入ってビックリ。事前に舞台上舞台ということは聞いていたのですが、舞台上舞台といってもアクティングエリアと客席が分かれているのがほとんどだったのが、今回は客席という概念がなく、舞台空間そのものがサエボーグさんの作品で、その作品の中でお客さんは思い思いに過ごすという形。

作品の「Cycle of L」はLIFEなのかなー。いろんなLの意味があるのかなー。
1番印象的だったのはオープニングの子豚さんが生まれてきたシーンで、この舞台空間と冒頭のシーンだけで、十分に作品を堪能してしまった次第です。

生死感や屠殺表現、キレイなもの、キタナイとされているものをポップにシニカルに描きながら物語が展開されていき、お客さんを巻き込んで力業なハッピーエンドに行く流れ。
舞台作品として見ると少し冗長な部分も感じましたが、それでも笑顔溢れるお客さんと、一緒に舞台を楽しむようなスタッフワークがより作品の幸福感(と後ろに見えるもの)を高めていたなー。

何よりも美術館スタッフの松本さん、折田さん、秦泉寺さんのオペレーション!
作家さん(サエボーグさん)ひとりだけでなく、彼女たちの舞台芸術への思いがしっかり作品に繋がっているようで、公共ホールの舞台制作はこうでなくちゃなーと、おじさん目を細めた次第です。
みなさん、素敵な作品ありがとうございました!!

余談
よく知ってる方が何人か現地参加で着ぐるみに入っていたのですが、誰がどの役なのか…全く分からなかったです…。
みなさんそれぞれに役を演じきったということで!(分からなくってごめんなさい!)