オカザキケント「お伽草紙 カチカチ山」(2021.02.26)

昨日は野市ふれあいセンターサンホールにて、オカザキケント君の演劇公演のお手伝いでした。
香南市の生涯学習課さんの事業の一環とのことで、きっかけは2019年の蛸蔵ラボにオカザキ君が一人芝居で参加した際、稽古場として野市ふれあいセンターを使用したところ、施設の方に地元で演劇活動をしていることを喜ばれ、今回の出演依頼に繋がったとのことです。
(ちなみにその時の蛸蔵ラボ、オカザキ君の演目は舞台上でAV撮影をしようとして失敗したという内容で、チラシにもあらすじが出ていたのですが、それをものともせずに出演依頼をかけた香南市の担当の方、すごいな…)

オカザキ君から公演の相談を受けて心配したのが費用面です。
恐らくは生涯学習課さんの事業に招かれる形なら、講師謝金の金額が決まっているので、出演料としては良いけれど、演劇公演は稽古場代や衣裳・小道具など制作に係る費用が膨らんでしまうので、先方はその辺対応してくれるの?とたずねると「とても大事な機会なので、先方での支出が難しい場合は自分が負担するようにします」とのこと。うーむー…ではありましたが、結果、その意気込みがしっかりと形になった素晴らしい本番となりました。

作品は太宰治の「お伽草紙 カチカチ山」。
太宰(山田憲人君)の独白と、兎さん(齊藤桃子さん)、狸さん(オカザキ君)の場面が重なる作り方。
開演ブザーが鳴り、下手花道に山田君が現れ「あ、鳴った」という台詞ひとつで一気に客席の空気を変えた冒頭のシーンから、俳優の色気とエネルギーを十分に味わえるものでした。
自身の人間として弱い部分も出しながら物語を紡ぐ太宰と、欲にまみれて翻弄される狸さん、本人が自覚しない強烈な魅力を発する兎さんの残酷な行動。
3者のバランスは物語の構成もそうですし、ミザンス(舞台の立ち位置や絵としての美しさ)も際立っておりました。これを感覚で実践したとすれば、オカザキ君は演出家としての能力も相当なものだ。

おそらく演劇を観る機会が少ない方が客席に多くいたと思うのですが、あえて単純な分かりやすさに偏らず、物語の芯をしっかり描くことで、演劇自体の魅力を届けられたのではないかと思います。それができたのは俳優の地力があったからこそで、良い座組みで良い稽古を積んだからこその本番だったのではないかしら。

スタッフワーク的には、久しぶりの立派なホールでの照明音響、楽しゅうございました。
時間は相当シビアでしたが、おさらい会の山崎君、西村さんとの3人のチームプレイが機能し、会館の方にも協力いただいて、なんとかなんとか乗り越えることができました。楽しかったー(ただしカラダが鈍っていたせいか、現在もの凄い筋肉痛に見舞われております)。

終演後はお客さまからも嬉しいご感想をいただいた他、地元のケーブルテレビさんや香南市の広報の取材なども入っており、今回をきっかけに地域で演劇活動を行うオカザキ君のことを多くの人に知ってもらい、香南市に演劇の芽が育っていったらいいなーと願っております。

あー楽しかった!
みなさん、ありがとうございました!