ハナカタマサキバンド(2021.09.25)
ハナカタマサキバンド、無事終了しました。
演奏の余韻と、心地よい(?)筋肉痛に浸りながら振り返り。
バンドのワンマンライブとしては一昨年の蛸蔵公演以来2年ぶりとなった今回。
前回と大きく違ったのは、ハナカタさんが生み出す楽曲の拡がりでしょうか。
ギターを中心に、トイピアノや、グロッケン、アンデス、トイドラムなどなどの響きの可愛らしい楽器が散りばめるつくりかたから、近作は一人多重録音オーケストラと言いますか、弦楽器や管楽器など使用する楽器も一気に増えて、スケールの大きな曲の構成になってきました。
しかし、それをライブで再現するのは相当難しく、そこで今回ハナカタさんから提案があったのは「演奏データをバックに生演奏をする」というスタイルです。
今のメジャーなバンドでは中心になっているスタイルではありますが、それを蛸蔵でやるとなるとシステム面でもそうですし、ふだん生音で演奏されているミュージシャン的にも、イヤーモニターで耳が塞がれる状態での演奏という非常にやりにくい形になってしまいます。
ハナカタさんからの相談を受けた時に、いろいろと心配もありましたが、テクニカル的なところは僕の愛して止まない音響オペレータの山崎さんに無理を聞いていただき、そしてバンドの皆さんも、本番当日しかこのシステムでの稽古ができないため、通常の3倍ほどのリハーサル時間を割いていただきました。
そして、リハ時間をしっかり確保するためには、ひとりでゴトゴト仕込んでたら間に合わないため、頼りになる演劇人、いいんちょとかずやさんに助けてもらいながらひいひい仕込みをし、なんとか午前中に舞台と照明を仕上げてドキドキのリハ。
最初は前音の演奏データと生演奏の混ざり方が上手くいかず、音量も上がっていく感じで、防音設備のない蛸蔵的には「山崎さん、今の音量だとアウトです」なんてやり取りもありましたが、さすがの山崎さんの修正力よ。リハ後半からは気持ちの良い音が蛸蔵に響いていました。
メンバーの皆さん、最初はイヤーモニターに苦戦しながらも、こちらも見事な適応力で、最後は「クリックがある方がやりやすいね」なんて声もいただいたり。
いやー、すごいわミュージシャン。オペレータさんも。
本番は満席の蛸蔵で、映像も相まってなんとも幸せすぎる時間となりました。
お客さまの熱量と、それを受けてさらに熱を帯びる演奏を聞きながら、つくづくライブの大切さを実感した次第です。
「小さな星の王子さま」で作曲された「きつねの歌」「フィナーレ」がまたまた響いたなー。
最後に、今回のライブは文化庁の助成事業「ARTS for the future」に採択され、音響システムなどの予算を確保できたからこそできた訳で、ホントにありがたい限り。
…ですが、いわゆる助成金・補助金漬けになってしまったらいかんよなーなんて思いも浮かんだり。
独立した活動でしっかり売り上げを上げて、それぞれに見合う対価も支払えるのが一番なのですが…うううむ…悩ましい…。