大大阪舞台博覧会(2015.02.21)
今週末、大阪ー神戸ー高松の地獄観劇ツアーを開催しました。
面白かった。面白すぎた。会心のツアーでした。なので例によって観劇感想をば。
まずは土曜日、高知からわたくし含め5名で神戸の津野新居に移動。近所のコストコで巨大パエリアなどを購入し、みんなでご飯を食べ、新居の水回りチェックなどをした後、津野さんも車に搭載し、演劇人満載の車内で下品極まる会話を弾ませながら、大阪の「大大阪舞台博覧会」へ臨みました。
この催しは大阪市主催のショウケース公演で、2日間で選考を通過した12組の短編公演を行うというものでした。そこの参加団体に南河内万歳一座の若手チームで結成されたユニット「南河内番外一座ヤング」が出るということで、ヤングをメインの目的に、そしてはじめて観劇する劇団の出会いも楽しみに見させてもらいました。
まずは主目的「ヤング」の感想。
上演した作品は菊池寛さんの名作「父帰る」。内藤さんの作品ではなく、内藤さんの演出ではなく、そして「父親不在」という内藤さんが取り上げるテーマの一つの象徴のような作品。これを15分で表現する。演出は高知の演劇推進プログラムでお世話になった万歳の砦(と僕は思ってる)鈴村貴彦さん。万歳の順番が近づくにつれ、どうすんだ、ホントに大丈夫なのか、すずむ、と客席で見てるだけなのに、異様に緊張しておりました。
5分の転換時間に現れたのは稽古着のジャージでウオームアップのようにランニングをする万歳のみなさん。
「なんで今アップしてんだ?」しかしアップは終わらず、主催者の紹介があっても一心に走り続ける出演者たち。おもむろ(すぎるわ)に客電が落ち、道具もない、衣装もない、音響もない、地明かり前明かりのみの舞台で走り続けた出演者がそれぞれの位置につき、芝居が始まります。
最初に発した木村さんの台詞で、それまでに発表された団体さんとは一瞬で違う空気になりました。
そこにあるのは装飾を一切排除した中で、役者の力量のみで勝負する、勝負できる、どれだけベーシックの部分を鍛えられた演劇人なのかとため息が出るような皆さんの存在でした。
ヤングというユニット名ながら、そこに浮かぶのはこれまでのキャリアと演劇に向かう真摯な姿勢を持ったみんなの作る空気感。ふだんの万歳の公演では見られない役者の一面も見られ、ドキドキしながらも惚れ惚れしてしまう、なんとも言えない15分の公演でした。すずむ、よかった!
木村さん、ジャングルよりも現場に戻ってきたように感じました。完全復活や!
あゆさん、お母さん役の安定感、すばらしい!
ゴリさん、めっちゃ難しい役どころ、みごとでした!
松、台詞がないところでもその困り顔は誰よりも主張してました!
谷奥さん、自分が見た中で一番だった!
客席には劇団内外のゆかりのある皆さんも多数駆けつけておられ、お会いしたかった方にもご挨拶できて、嗚呼よかった。
また、他のカンパニーの感想としては、やはりショウケース公演という制限の中で、なにかを発信するのは非常に難しかったのかな、と思いました。その中では最後に上演された無名劇団さんは、その劇団や作品の方向性がハッキリ見られてとても魅力的でした。本公演見てみたい。
最後に文句。今回見た中で、社会風刺を表現するカンパニーさんがいたのですが、それで、あなたは何を言いたいの?何を伝えたいの?それは2ちゃんの書き込みとどう違うんだ?ってな感想を持ったりもしました。でもそのカンパニーさんも4倍ほどの選考を通過されてるのか。うーん。そう思うと高知は決して悪い土壌じゃないのかも知れないなって思いました。
終了後は万歳チームに打ち上げに招いていただいたのにも関わらず、(主に津野さんが)失礼すぎる、下品すぎることばっかりでごめんなさい。暴走した高知チームはその後神戸の津野邸に戻り、朝6時まで飲んでましたとさ。
そして本日、寝不足で向かったサンポート高松で見たものは…(つづく)。