空晴「ここにあるはずの、」(2022.12.02)
昨日はインディペンデントシアター2ndにて、空晴「ここにあるはずの、」を観劇しましたよ。例によって感想文。
舞台は喫茶店。季節はクリスマス。
この喫茶店と縁深いおばちゃんが、姪っ子の結婚サプライズパーティを企てるも、いろんな思い違いが絡まって…という、スタイルとしてはいつもの空晴。
が、なんだかいろいろ様子が違う。
劇団の支柱である上瀧さんが今回出演されないこともそうだし、普段だったら「○○の△△」的なタイトルからして違う。
冒頭M0のウリョンさんの曲の煽り方も不穏なダブミックスのようでなんか違う。
照明も柔らかなタッチが印象的な明かりのはずが、ポイントポイントでLED、ムービング、レーザーが炸裂してる。
そして舞台の喫茶店は、お客さんが減っていることに加え相続税の関係もあり、親子2代にわたって続いた店をたたむという。
穏やかじゃない…。
物語の外側、コロナ以降の劇団運営の大変さや、ゲスト(というか準劇団員よね)の太田さんの「俳優やめます」というTwitter投稿。
太田さんの話を受けて戯曲を書き上げたべっちさん。ちょうど脱稿直後に高知でご一緒してた時に「べっちさんの構成のしっかりした戯曲は、ガチガチにプロットを作って落とし込んでいくんですか?」と聞くと、少し時間をおいて「…いや、そんなんじゃないんです。」とボソッと言ってたのが今回の産みの苦しみを表しているようでした。
20年前、一緒に劇団をやっていた元夫婦。
その劇団の公演を見て「作家になろう」と決意したものの、40歳を過ぎても芽が出ない男。
夢、やりたいこと、あきらめたもの、残したなにか、続いていくもの。
劇中の出演者の台詞と、現実の演劇人の心情が絡み合うような舞台で、エールを送っている台詞ですら、なぜだか胸が締め付けられる気持ちになりました。
ここからの続きは、果たしてどうなるんだろう。
続けていった先は、何が待っているのだろう。
まるで家族のような劇団と、頻繁にこの家に遊びに来る親戚のお兄ちゃん。この家族が大好きで、いっつもSNSでツッコミを入れる親戚のおじちゃん(浅野さん、久しぶりに舞台で見させてもらいました!)。愛すべきスタッフの皆さん。
大切な劇団を、しっかり見続けていかねば。
今回、相当無理をしたけど、観に行ってよかったです。
皆さん、ありがとうございました!
そして「引き続き」よろしくお願いします!
以下余談。
①日帰り弾丸観劇は高知の演劇友だちが同行してくれまして、終演後の帰り道、車内で興奮して感想を話しているうちに、阪神高速環状線の分岐を見逃し、もう1周環状線を回ったのはナイショです。
②さらに帰り道の中、男女の機微についてよく分からないダメ人間なので、最後のちーやんの心情および行動について、ひとりアレコレ考察してました(描ききらなかった電話の先のお話、悪い男はなぜそこに至ったのか、こちらも非常に気になりました)。
あー面白かった!