村本大輔「一線を越えるスタンダップコメディ」(2023.05.08)

昨日は蛸蔵にて、ウーマンラッシュアワー村本大輔さん「一線を越えるスタンダップコメディ」のお手伝いでした。忙しい日々ですが、頑張って感想文。

わたくしテレビをほとんど見ない、お笑い番組も全く見ない人生を送ってきたため、ウーマンラッシュアワーさんについて、名前も何も知らなかったのですが、確か何年か前、Twitterで現政権に向けた、強烈な皮肉を叩きつけて笑い飛ばした短いステージの映像を見て、衝撃を受けたことがありました。
そこから村本さんの名前を覚えて「あまりに過激な内容なため、テレビや大きなイベントから敬遠されているらしい」なんてことを聞いたりして、今は全国での単独ライブを活動の中心にされているとのこと。
「権威の象徴である吉本に所属しながらアウトローとはどういうこと?」と思いながら、予備知識ゼロで本番に臨みました。

感想としてはひと言「これはまさに、天性の才能だ」でした。
2〜3分ほどの短いネタで、最後の一言でしっかりオチをつけるというスタイル。
いくつかのネタは繋がっているのもあるけど、恐らくは構成などは事前に決めず、その場で決めているようでした。
「お客さんを笑わせるのがコメディアンの仕事だから、お客さんが笑えば笑うほど回転が上がる、あまりに回転が上がりすぎて「(最低限制御している)頭よりも言葉が先に出てしまう」なんて話、カッコイイなー。

そして後半で言われていた「昔は音楽でもお笑いでも、いろんな形でおかしなことに対して「おかしい」って声を上げていた」という話。おそらくここで言われる「昔」って、村本さんの年齢からも、遠い遠い昔ではなく、きっとこの10年くらいのことじゃないんだろうか。
それこそずっと昔から、全ての表現は社会を映していただろうし、それはずっと続いてきていたのだろうけど、インターネットの匿名性に日本人の良くない気風が加わり、さらには2012年以降の政権が行った政策で「声を上げること」が、とても難しい世の中になってしまったのかも知れないなーなんて思ったことでした。

会場には熱い思いを持ったお客さんが沢山集まり、終演後には用意した書籍の物販も完売するほど。本にサインをしながら、お客さん一人一人としっかりとお話をされていた姿を見て、「ステージ同様に誠実な人なんだろうなー」なんて思ってたら、全てのお客さんが帰り、ステージをバラしてた僕らに対して「手伝いましょうか?」と声をかけて、率先して客席や平台を運び、最後までバラシに付き合ってくれるという、なんというかステージで喋っている通りの人でした。

蛸蔵についてもすごい褒めてくれてありがたい限り。
また高知に来てくれますように!