SARPvol.10『ROMEO&JULIET』 (2016.02.02)

本日は、四国学院大学ノトススタジオのアーティストインレジデンスプログラム、多田淳之介さん演出「Romeo & Juliet」の観劇ツアーに行って参りました。
今回のツアーは久しぶりに車の定員いっぱいの6名での参加となり、そのメンバーも多種多様。こういうのはホント嬉しいことなのです。

さて作品の感想ですが、今回一番に印象に残ったのがオープニングから台詞を発するまでのくだりでした。
多田さんのやられるワークショップにも通じるようなコミュニケーションの形成。最近とみに「人間は社会的な生き物」って思うことがあるのですが、1対1のコミュニケーション、複数人のパワーバランス、対決、和が生まれる瞬間、異物に対する身構え、排他、裏切り、助け、いろんな要素が入り交じりながら、一度は誰もが夢みるような全てを愛し合う瞬間が生まれ、でもそれはささいなきっかけであっという間に崩壊し、決定的な敵対関係になってしまう。

芝居的には導入部分なのに、ここだけでもう、なんというか、あぁ、もう、多田さん…。ってなった次第です。
多田さんの作品を観るのはこれで4回目なのに、毎回毎回新しい刺激を受けまくり。

作品全体ではごあいさつ文にも書かれてたように、若さ故の幼さ、儚さや苦しさ、未熟さ故の狂気の描かれ方が見事でした。実際に演じる皆さん(大学生)の人間の芯が作品を通じて出ていたように感じます。
人によっては役者としての体力的な面での幼さも感じる一方、絶対に彼らの年代じゃないと出せない焦燥感も感じて、泣けるようなシーンでもないのに、途中何度かぐぐっとさせられました。また、ものすごい光を放つ俳優さんもいらっしゃり、すごいな四国学院大学、西村さんと思った次第。

こんな豊かな作品が、約1週間(2/5金まで)上演されているのは本当に素晴らしいことです。
ノトススタジオは四国圏で考えるとちょうど中心にあたる場所ですし、どうか、多くの方にこの作品を観ていただきたいなと心より思いました。というか、もう一回みたいなあああああ。