劇団シアターホリック「樺沢家の三人姉妹」(2016.02.06)

本日はシアターホリックさん「樺沢家の三人姉妹」を蛸蔵にて観劇。
明日もあるけど、ちょっと珍しく厳しめなこと書きます。

まずよかったこと。
脚本、あの大作を今の自分たちの暮らしの目線に見事に置き換えていたと思います。上演時間3時間(!)を聞いて腰が物理的に悲鳴を上げましたが、退屈せずに物語の中に入り込みました。
親子の確執や、それぞれが思う愛情、人の業、それぞれの正義、現代社会に浮かぶ格差や問題などをたくさん考えさせる(一部消化しきれてない箇所もあるけど)、良い戯曲だと思います。

が、それを表現する役者が、かなり残念でした。
役者はその存在だけで、なにかを表さないといけないと思うのですが、それを主に感じたのは客演であるシャカ力はるなさん、World Wide Worksの上松さん、マエカブ高木さんで、シアホリの中心であるしおりさん・花さんが、あえての演出(親子という設定)なのかも知れないですが、台詞の言い回しの癖が同じようになっていて、個人的にはお互いの良い部分・個性を消し合ってしまったように感じました。

さらに厳しいことを言うと、なっつんとシアホリ&工科大の男子メンバーは、この作品に出るには最低ラインの役者の技量を持つべきです。身体が言葉を発していない。
昨年の「希望の星」では、彼らの素の身体が、作中のリアルな若者として良い形で機能していましたが、今回の作品ではマイナスにしか作用していないと思います。基礎稽古が全てではないけど、それでも、この作品に出て、客からお金を取るのであれば、最低限のことはすべきだし、それをよしとする演出も残念でした。

ちなみに今回の一般前売り料金は2,000円でした。高知の演劇界だと、ちょっと強気の設定ですが、その意気を、2,000円の価値を楽しませてもらおうと思っただけに…。ちなみに条件も違うし、単純な比較はしちゃいけないけど、先日の四国学院大学のロミジュリは一般1,000円の料金でした。
先日のロミジュリなら3,000円払っても惜しくない。けど今日のお芝居には2,000円は高すぎると思った次第。

明日の2公演で劇的に良くなることを期待してます。