いちびり一家□「テトテトテ」(2023.12.28)

2023年観劇納めは現代地方譚11関連企画、いちびり一家□(スペース)のトライアウト公演「テトテトテ」でした。
遅くなったけど感想文。

いちびり一家のみんなが、こうやって人前で発表するのは2019年の「ゴロニャーゴ」、そして同年の万歳との合同公演ぶり。
コロナ以降、劇団の活動を模索する中で、昨年から主宰の阪上さんが須崎市のアーティストインレジデンス事業に招聘され、今年は劇団での作品発表となりました。
お客さんの前に立つみんなをみて、「良かった…」「続けてくれて、ありがとう…」ともう感傷的な気分になるおとーさんでした。

さて、肝心の作品です。
僕が知っている限りですが、いちびり一家の作品の根底に流れる「抗いようのない喪失」と「家族という絡まり方」のふたつが、そのまま、どんと出されたような物語でした。
いちびりの本公演の大事な要素であるアツキイズムさんの音楽もない、ゲスト出演者もない、素のいちびりの、さっかんの素の部分と、自身が無理矢理落としどころをつけようとしているしんどさや子どもの頃の記憶が入り交じるような、「触れんとこ」ってしてたいろんな感情をグルグルかき回されるような劇体験でした。

あー、泣いた。
演劇ってよろしいな。
みんな、演劇を続けてくれてありがとう。
これからの、さっかんさんの作品も楽しみにしています!