おさらい会「よだかの星」(2024.03.20)
今日はメフィストフェレスにて、おさらい会「よだかの星」を観てきましたよ。
おさらい会を観るのは、2021年の「海へ騎りゆく人びと」以来。この公演をもって、劇団の中心的役割を担っていた山田君が高知を離れた(鈴木忠志さん率いるSCOTに移籍されたのです!凄い!)ため、おさらい会の活動は止まっていたものの、当時高知大学地域協働学部に所属し、おさらい会の大豊町八畝公演をサポートしていた田中君が昨年劇団に加入し、活動再開となったとのこと。
ちなみに田中君はとさっ子タウンの副実行委員長として活躍する姿は知ってたのですが、さらに演劇の世界に飛び込むとは…非常にパワフルな若者です。そんな田中君は大学を卒業し、高知の大手企業で働いていたものの、さらなる活躍の場を求めて4月から東京に行くこととなり、今回の作品も彼を壮行する意味合いが強くあったようです。
作品は宮沢賢治の「よだかの星」。
原作を脚色せず、そのまま一人芝居として上演する形でした。
醜く、弱く、忌み嫌われる存在の「よだか」が自分の命を燃やして星になるという物語。
これまで演劇経験の無かった田中君ひとりで表現するという、厳しい条件でしたが、発声や身体など、西村先生の指導の力と、田中君の情熱と度胸がしっかり表現された舞台でした。
演出ノートで西村さんが「この作品に相応しい表現は一人芝居と考えた」と書かれてましたが、個人的には、もし田中君が「よだか」を、もう一人力のある俳優がそれ以外の役を担っていたら、どんな風に見えたかなぁ。
初舞台が一人芝居というのは、無いケースでは無いだろうけど、これから田中君がどのように演劇に関わるかは分からないけど、どんな形でも、演劇や高知の繋がりが続きますように。
終演後は市民ミュージカルの脚本でもお世話になった山内先生と西村先生のトーク。
宮沢賢治をテーマにしようとしたものの、山内先生の半生のお話が面白く、ちょっと本編を喰うほどでしたw。
トークの最後に西村先生が、旅立つ田中君に向けて、宮沢賢治の「告別」という詩を朗読して終了。
田中君の劇団所属の期間は短かったけど、きっと一人の人間としてお互いを尊敬し合えるような、劇団活動を通じて積み重なった濃密な関係がうかがえるような、愛情溢れる進行でした。
これからの皆さんの活動も楽しみにしております!