劇団唐組「泥人形」(2024.04.28)

個人的なことですが、南河内万歳一座に、内藤裕敬さんに出会わなければ、自分は演劇の制作はしていなかったと思うのです。
そんな私の師匠・内藤さんをして「俺は唐十郎になりたかった」と言われた、師匠のルーツである唐十郎さん率いる劇団唐組、初観劇。ドキドキ。

河川敷に立てられた紅テント。
お祭りのような猥雑な雰囲気も、開場時のお客さんの誘導も、テントの中のギュッとした桟敷席も、すべて作品に繋がっているような、ここにいるみんなが共犯者のような空間。
そんな中で展開される過剰にドラマチックな物語。
客席に汗を飛ばしまくる、強烈にエネルギッシュな俳優の皆さん。
ドン!と入ってグッと絞る音楽。
「カシャ!」とクロスを返すフェーダーの音が客席にも聞こえるダイナミックな照明。
そのシーンを切り取っても熱く、カッコイイ。
物語を追うよりも、作品世界にズブズブと浸る観劇体験となりました。

テント設営も、運営も、舞台上も、効率さを度外視して全身全霊で向き合う劇団員の皆さん。この美しさこそが唐組なのねと感じた次第です。
ゲスト出演した内藤さん、荒谷清水さんの、唐組に対するリスペクトを存分に感じる全力さも素晴らしかった。
こうやっていろんなものを繋いで、歴史ができていくんだなー。
みなさま、ありがとうございました!