東京デスロック「亡国の三人姉妹」(2016.11.24)

本日は四国学院大学ノトススタジオさんにて、東京デスロック「亡国の三人姉妹」を観てきました。
10月の横浜を皮切りに5カ所を回るツアーの真ん中に位置する香川公演。事前に作品に関するいろんな情報がネットに溢れてましたが、全てをシャットアウトしておりました。だって、デスロックの公演は、ロビーから場内に入る瞬間が何より楽しみなんですもの。

さぁ、開場。入るぜ場内。そこで驚いたのが、いわゆるエンドステージだ。舞台と客席が普通に分かれているオーソドックスな劇場空間だ。作品を発表する度にいろんな価値観を壊し続けるデスロックは、デスロックらしさという固まりそうになっていたイメージも壊すのか!
そして上演された作品も、これまで自分が観てきたデスロックの作品とはまた違う感触でした。

戯曲のあるなしでもない、カルメギともまた違う、飛び道具を抑えた演出。
チェーホフの戯曲に真剣に向き合う中で浮かび上がる「現在の日本」。

唯一役名のない、台詞を発さない伊東さんが、少しずつ身にまとうもの。
ナターシャの色に染められ、その後家を去るイリーナを表現するため片付けられたものの、その後町に残る人たちを表した何組かの布団は、まるで体育館に設置された避難所を思い浮かべさせ、作品の中でこれからの子孫に繋ぐ未来や幸せは、まるっきり日本という国が先延ばしして、次の世代に背負わせる問題そのものに感じました。

作品のラストは、それでも生きていく登場人物のある意味前向きな、ある意味非情な現実。
社会、時代、情勢、人の業。いろんなことを考えさせられる、まさにストライクな演劇作品でした。

きっちり超満員のお客様を集めてるノトススタジオも素晴らしい!香川公演は明日25日(金)もありますよ!

デスロックの皆さん、ありがとうございました!