ボラ☆ボラ「タビのウタ」(2024.11.20)
吹田市メイシアターにて、ボラ☆ボラ「タビのウタ」を観てきましたよ。
自分がボラ☆ボラを観るのは2020年3月の、コロナの大混乱の中で上演された「ただ、吸って吐く」以来。この時は前田さんが脚本を書いてたので、あゆさん作だと2017年の「お酢をのんだけど、やわらかくならなかった」以来となります。
あれからいろんなご縁が繋がって、今回は山村誠一さんと、かんのとしこさんを迎えた音楽劇というゴージャスな舞台。
さらに個人的には2019年の南河内万歳一座退団以来、ついに舞台に帰ってきた木村基秀の勇姿を見届けねばとメイシアターに向かいました。
メイシアターには初めて来たのですが、小ホールは馬蹄型の舞台と客席の素敵な空間で、ピアノ演奏会とか室内楽の公演とかに適してるんだろうなー。そんな舞台に配置されているのはプロセミアム…というと意味が分からなくなりますがw、大きな額縁の舞台美術が複数舞台上に配置された幻想的な空間。基本袖からの出ハケはなく、出演者はそれぞれの額縁の外側に待機して物語に加わるという形です。
物語は、長い眠りから覚めたあゆさんと、それを見ていたゴリさんの会話をきっかけに展開されます。
記憶喪失、コールドスリープ、眠っちゃいけない、家に帰りたい、星を旅する、宇宙の果て、新しく流れる時間…。幻想的な言葉が散りばめられる中に、大切な人を亡くしてしまった男性の悲しみが浮かび上がります。
あえて語らないように、お客さんに委ねるように作られた物語だからこそ、謎の男・時間泥棒として現れた木村さんの台詞がよく分からなくって、でもなんだか切迫していて、痛くって。ラストシーンの涙にもひたすら感情を動かされました。
あゆさんの書く物語は、なんとも優しい。そこに優しい音楽が加わって、優しい人たちが集まって、なんとも幸せな作品でした。
劇中、山村さん(過去最大の台詞量もさることながら、役者としても上達してました)とあゆさんのシーンで言われた「コトバが無いから伝わるんだよ」っていう台詞が素敵だったなー。
皆さん、ありがとうございました!