サラダボール「生きろ、トレープレフ」(2024.12.04)
本日は四国学院大学ノトススタジオにて、サラダボール「生きろ、トレープレフ」のゲネを見学させていただきました。
サラダボールの作品を観るのは、2018年の「髪をかきあげる」以来。四国を拠点にこれだけの作品を創作し続けている(これが大事)カンパニーがあるのに、なんだかんだと理由をつけてこの数年、観劇できなかったことを大反省した次第です。
作品は、想像以上にまっすぐな、チェーホフの「かもめ」。
もうひとつは、2023年にお父さんを亡くした演出の西村和宏さんの個人的なモノローグ。
ちょっとしたキーワードでリンクする部分を作りながらも、あくまでまっすぐな「かもめ」と、個人的な記憶。
今さらながら「かもめ」は、人間賛歌なんだな。
人を好きになって、苦しんで、傷をつくって。
そうやって生きていくことこそが素晴らしいな。
幼く、未熟で、迷いながらも歩を進めるトレープレフを誰に重ねるんだろうな。
そして西村さん、そうだ、同い年だった。
お父さんを通して、ご自身の半生を語るのが、なんとも響きました。
先日ハイバイの岩井秀人さんをインタビューした時にも感じた、この世代の空気感(良い面もしんどい面も含む)の、場所が違っても何かしら通じる不思議さよ。
トリゴーリンと西村さん(といろいろ)を演じた鈴木智香子さんが素敵でした。
お父さんだって、若いときや青春があったし、年齢を重ねても何かに突き動かされることもあるよね。
タイトルの台詞と、そこからが人生だと呼びかけたのは、トリゴーリンだったのか、父となった西村さんだったのか。
いつの間にかふたつの物語がひとつになったような、自身の半生と「かもめ」がリンクしたような不思議な劇体験となりました。
明日からの本番、お客さんによって作品自体も相当変わっていきそうです。
12月5日(木)から8日(日)まで上演しますので、どうか多くの方に観ていただけますように!