特別展示・調査報告「再考《少女と白鳥》」(2025.10.04)

「コールド・ブラッド」の上演に合わせ、美術館が夜間開館をしてくれていたので、開場前に大注目の展覧会を見てきました。
高知県立美術館が所蔵している作品が贋作だったという発表・報道から、贋作についての展示を行う姿勢。
小さな展示室内での企画でしたが、テキストの量や資料展示が素晴らしく「公共の博物館の使命」をしっかり考え、提示する内容でした。
そもそも表現の最初って模倣することだと思うし、今でも多くの作品が、現在や過去の表現に影響を受け合ってできるものだと思うのです。
その部分にも触れながら、悪意を持った贋作の歴史も伝える誠実な展示。
真贋を見抜くための方法が、まず「じっくり見る」ことということからも、学芸員の仕事の大切さを伝えるものでした。科学的な分析調査も超面白い。
展示最後にあった関係者のコメントも個性的で、奥野さんのコメントがなんともらしくってクスッとしました(本人的には大変だったと思いますが)。
県の外郭団体の見直しに揺れる文化行政ですが、こうやって過去から未来に橋渡しする企画をどうか大事にしてほしいなー。