劇団GALA「鬼退治!2025」(2025.11.08)

県立美術館ホールにて、劇団GALA「鬼退治!2025」を観てきました。
劇団GALAさん、2014年の旗揚げ以降、公演を重ねて今回が第8回公演。
さらに今回はコロナ禍の中で延期・限定席数での公演となった「鬼退治!」の再演とのことです。
自身も久しぶりの観劇となったGALAさん。その舞台は想像を大きく越えた洗練っぷりでした。衝撃。
劇団員の皆さんが鍛錬を重ねることに加え、公演を重ねることで、スタッフへの頼り方や見せ方のアイデアも実現できているんだろうなー。
特に舞台美術、素晴らしかった。
段差を効果的に使って上下センターとアクティングエリアを分ける見せ方、見事でした。
照明・音響も素晴らしく、スタッフの皆さんが劇団に丁寧に寄り添っている空気の良さを凄く感じました。
作品の中身ですが、桃太郎の解釈がとても素敵でした。
知らない他者を脅威=悪者とせず、相互理解することの大切さ。
桃太郎自身の出自もそう描くのかー。しっかり成長物語としていたところも良かったです。
個人的には2幕冒頭の鬼の嫁入りのシーンにグッと来ました。なし崩し的に争いの場面になった時の、争いをやめようとする皆のソロ回しの場面も素晴らしかった。
こうやって作品に没入できたのは、当たり前に感じるけど、何よりも歌唱の素晴らしさ(そんな簡単なもんじゃない)。物語に沿った歌詞とメロディー、大村先生の振付、衣裳もそうだ。ひとつひとつを積み重ねているからこそだろうなー。劇団って素晴らしい。
余談ですが、舞台公演の中でも特にミュージカルって公演経費が膨らんでしまうのです(あの舞台で収支のことを考えたら…)。
それでも劇団としてこの規模の公演を続けているのは、関わる皆さんの気持ちに加え、代表のみっちゃんさんの想いがあってこそだと思います。
GALAさんのように劇団が人を育て、仲間を募り、さらに良い次作に向けて活動できるような、そんな環境を作っていかねば…。
あああ、もうひとつ。
今回お客さんとしてはじめて鑑賞支援サービス(字幕ガイド)を体験しました。
ときどき歌詞が分からなかったところも字幕で補完できて、これは便利だなー。
聞こえる・聞こえないって0か100じゃなくて、いろんな段階があるので、あらためて、作品理解を深める上でもとても良いツールだと思います。
こうやって多くの人が当たり前のように鑑賞支援サービスを使える社会になりますように。
鑑賞支援サービスにも飛び込んでくれたみっちゃんさん、ありがとうございました!