人生相談天国(2026.02.11)

菅原直樹さんご自身が、これまでの活動の集大成であり、新境地と言われた「人生相談天国」を岡山ハレノワ小劇場にて観てきました。
まさに集大成…そして新境地…。
自分自身が市民劇を作る際に目標としていることが、目の前で表現されていました。

作品の枠組みは「誰かの人生の悩み」が書かれたカードを1枚選び、それを1チームで演じてみる。
それを観た別チームが、感想や意見を言い合い、登場人物にアドバイスを送ったりして、もう一度演じてもらったりするというもの。
演じる際の流れはあるけど、おそらく台詞はそこまで厳密には決まってなく、感想を言い合う場面も完全即興ではないだろうけど、出演者同士の信頼関係があるからこその活発な議論。この絶妙な感覚…。
「感情を込めて上手に台詞を読む」なんてクソ食らえの「誰かの人生を本気で演じる」演劇。
ここ数年一緒に作品を創ってくれている細川貴司さんが言われる「プロがどうやってもかなわないアマチュア演劇」がここにありました。

再現性や身体の鍛錬・感情のコントロールに長けることがプロの俳優としたら、その真逆のような出演者が、それぞれの培ってきた人生のまま役に向き合うことのリアルさ。
舞台上で感情が溢れ、流れる涙は、客席にいる一人一人の胸をえぐります。
三組目の花見のシーン、なぜかお婆さんに謝る認知症のおじいさんの涙に、僕も嗚咽を抑えることが出来ませんでした。

「関わってくれた方や、観劇いただいた方の人生が、少しでも豊かになったらいいな」という想いで僕は舞台制作をしていますが、この「人生相談天国」に参加された皆さんは、ひょっとしたら人生が変わるような体験だったかも知れません。
この瞬間に客席にいることができて本当に良かった。
新しい目標ができた。
もうちょっとだけ、頑張ろう。

菅原さん、本企画を進めていただいた皆さん、本当にありがとうございました!