いちびり一家□「コンセント!」(2026.03.13)

大阪・聖天通劇場にて、いちびり一家の6年ぶりとなる本公演「コンセント!」を観てきました。
いろんな変遷を経て、仲良しの4人の同級生で劇団を続けるいちびり一家の皆さん。その関係の深さ故に、公演ごとにいろんな衝突(?)があって「こんなにしんどいなら、もう辞めたる」なんて言いながらも、それを上回る劇団や作品への愛情が創作を続ける原動力だったのだと思うのです。

そんな活動がコロナ禍によりリセットされました。他の劇団が活動再開に向けて動き出す中、いちびりの皆は劇団活動や表現活動をあらためて見直すこととなり、個人的には「年齢や生活のことを考えると、一度止まった公演活動を再開するのは正直厳しいだろうな…」と思っていました。
この期間に、高知県須崎市で行われているアーティストインレジデンス事業「現代地方譚」に劇団代表の阪上さんが招かれ、2023年にトライアウト公演と称して劇団活動を再開することになりました。このタイミングで、劇団の外から、皆の背中を押したことは、地方譚実行委員・眞嶌さんの超ファインプレー。そしてそこで上演された作品「テトテトテ」が素晴らしかったのです。
高知との繋がりは続き、2024年には高知市文化振興事業団制作の市民参加劇「小さな星の王子さま」の戯曲を阪上さんに依頼しました。お願いする際のやり取りで、いちびりが2020年に上演予定だった作品が、「星の王子さま」をモチーフにしていたことを聞き、巡り合わせの不思議さを感じたことでした。

と、前置きが長くなった。ここから本公演の感想になるのですが、前段の活動休止期間中にあらためて自らの表現活動に向き合った阪上さん自身の、ある意味ノンフィクションな作品となりました。
作品の副題で書かれた「存在が劇へと接続される身体装置のために」という言葉がそのまま舞台で展開されるような物語。これまでの本公演にいた客演の方もいない、アツキイズムさんの演奏と劇団員の皆だけで構成された非常にソリッドな舞台。
とても個人的な、自分の欠けている何かに向き合うような、でも表現をする以上、伝える他者がいて、演劇という表現で自分の弱さを笑い飛ばそうとする阪上さん。

パンフに書かれてた「さて、ぼくは劇になりますか?貴方はこんな劇を、例えば面白がってくださいますか?はて?ぼくはなにを怖れているのだろう?」という一文。誠実さともとれるし、ひょっとしたら挑発って考えても面白い。
お休みを経て、また、しんどーい世界に戻ってきたw、いちびり一家の皆さんの存在そのものが愛おしい。
活動復活、おめでとうございます!
次回作品はどう転がっていくんだろう?
楽しみにしております!!