いちびり一家「スカート」(2017.02.04)

極上ツアー2公演目。いちびり一家「スカート」

阪上さんの舞台をはじめて見たのが、2010年の「窓の彼方へ」倉敷公演。その後同公演を2013年に高知でも上演し、そこからいちびりの皆さんと仲良くさせてもらえるようになりました。その後は万歳や内藤さん企画への客演で皆さんの舞台は見ていたのですが、今回やっと本公演の観劇を果たしました。

もともとツイッターやFacebookなどで、さっかんさんが書かれる歌詞や言葉のチョイスにいつも感心していたのですが、それが舞台という空間で、役者のエネルギーや生の音楽に乗って、その言葉たちが「ドカン!」と飛び込んできた時、最初に全員で歌った「方向音痴の濁流の歌」をぶつけられた時、言葉にできないような感動がぐわああっと胸に広がりました。

方向音痴の濁流。小さな筏は押し寄せる波に吹っ飛ばされる。誰もいなくなった街で迷子になる男。記憶の中のおばあちゃんを探す少年。いろんな夢が入れ子になる構造。忘れたいのに身体に刻まれてしまった記憶。痛み。

起きなかった息子のために、卒業式に参加するお母さんのお話をはじめ、バカバカしく大笑いする場面などもありながらも、飛び込んでくる言葉の断片が胸に刺さります。
一番に浮かんだのは2011年の震災(明喩されてないけど自然とそう思ってしまった)の喪失感。それでも続いていく人生を、いいことばかりじゃない人生を、笑いながら歌いながら生きていこうって思えるような作品でした。

タイトルの「スカート」はどういう意味だったんだろう?後半の妊婦さん達を表現したのかな?オープニングの不思議な場面の意図はどういうことだったんだろう?
飛び込んでくる言葉もそうだし、たくさんの情報を処理しきれない気持ちよい混乱で、できればもう一回見たい!あわよくば戯曲を読んでみたい!と思える作品でした。

あー面白かった!次回公演も絶対観に行くぞ!!
あ、そのまえに吉井さんはボラボラで高知に来てくれるんだ。楽しみに待ってますね!!