Unit Quintet「姫神」(2017.02.25)
演劇祭KOCHI2017の2作品目は、日野さん率いるUnit Quintet「姫神」でした。例によって感想文。
会場に入ってまず思ったのが「日野さんの舞台なのに灯体が少ない!」でした。LEDパーライトを上手く使ってるので、おそらく調光ユニットも増設してないんだろうなー。シンプルに舞台を見せようとしてるなんて、なにかしら心境の変化があったのかしら?って思ったら、パンフレットのあいさつ文に書かれてましたね。公演前にパンフを読まない(前情報を入れない)ので、失礼しました。
シンプルな舞台だけど、物語はおおごとです。国家紛争の果てに荒廃した近未来の東京を舞台に、神様やら遺伝子操作やら人工知能やら巨大ロボやらナウシカっぽい要素やらが散りばめられます。これを5人の登場人物で回すのだから大変だ。
不足する情報は勝手に頭で補完しながら見ていたのですが、やっぱりこの戯曲の世界だったらアニメーションなどの手法で発表する方が相応しいかなーなんて思った次第です。
それでも作品の中で「おっ」と思ったのが、大国に依存する意志決定のできない国として日本を言い放っていたことと、物語の終盤で、世界を救う手段として二つの価値観を示したところでした。二面性って大事よねー。
屋根裏舞台の若い役者さん、そしてシアホリ大藤さんを舞台で観たのは今回初めてでした。冨田さん、声がいいですね。特に独白のシーンは良かったです。一方で全員に言えることですが、アンサンブルとなると…うーん…。正直、役者が自分の台詞を言うことに精一杯で、会話や対話からかけ離れていたように感じます。パンフに書かれていたように、無理な稽古をしなかったせいなのか、作品のボリュームが膨らんだので、少しでもテンポを上げようとしたためなのか…。
相手の言葉や動き、感情を感じて、自分の言葉や動き、感情で反応するという、演劇の大事なところをもう少し丁寧に描いて欲しかったなー。
最後に、カーテンコールの時にRCサクセションの「空がまた暗くなる」という大好きな曲が流れて「おおお!」と思いました。選曲担当の大藤さん、自分が産まれる前の曲をセレクトするなんて…不思議な人生を歩んでいらっしゃる。