南河内万歳一座「守護神」(2017.05.28)

昨日は一心寺シアターにて南河内万歳一座「守護神」を観てきましたよ。
実は昨年、一昨年と腰の手術で入院してたため、初夏の新作公演は2公演見逃しており、純粋な万歳の新作を観るのは3年ぶりとなりました。
 
「守護神」というタイトル。内藤さんが記者会見でお話しされた中で「今まで自分を守ってくれると信じていたものが、原発しかり、社会制度しかり、そうじゃないぞとなった」って言葉が非常に印象に残っており、今回は思いっきり社会的な内容になるんだろうな、果たしてどんなメッセージかしら?、って異様に期待して臨んだ舞台は、意表を突かれた詩的なオープニングからはじまりました。
 
あゆさんと松のふたりの会話。場末のおでん屋で、構想中の作品のオープニングを語りながら、実は何度も何度もこの話を書いたような記憶がするというあゆさん。いろんな出来事(作品だろうな)を重ねてきたけど、結局同じ場末のここにいる、でもそれがまんざらではないという松。
ああ、これは内藤さんの、万歳一座の独白だと気付き、一気にぞぞぞってなりました。
 
お話の主軸は、就職活動で切羽詰まった大学生たちと、田舎から都会に夢を持って出てきた高卒の女の子たちの二つの軸で進みます。
「攻めるか、守るか、逃げるか」「入り口、出口」「青春の嵐の中で溺れかける」「繰り返した記憶」という印象的なフレーズや出来事が重なり合い、その中で展開される「これぞ万歳!」っていえるテンションと集団演劇のフォーカスの移動。内藤さん、鴨さん、清水さん、やのえいさんの味がありまくるソロパート(内藤さんがあんなに台詞しゃべってるのを観たのはいつ依頼だ?)。オーディション組含めた、若い皆さんの頑張り。木村さん、ごりさん、すずむさんの誠実さ。
 
あぁ、やっぱり万歳が好きだなぁ。
 
この何年間、自分と同姓代の主軸を担う方の退団や、いろんな悲しい別れがあった万歳。そんな中で生まれた内藤家の新しい命。
今回の作品は「いっつも苦しんで、大した見返りもないけど、ここ(劇団)があるから頑張れるんだよ」って内藤さんの宣言と勝手に受け止めた次第です。
 
今回は動員も非常に良かったみたいで、これからまた万歳が盛り上がっていく機運を感じました。
また次回公演も楽しみにしております!!!
 
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で、ここからは今回の観劇ツアーについて。
今回はなおみさん、よしかさん、かずやさん、さらに徳島からの合流でまんまる丸山さんという、不思議きわまりないメンバーのツアーでした。
行きの車内は前日の藁工Mの映画上映会の話題で盛り上がり、丸山さん合流後は「そういえば丸山さんとちゃんとお話ししたこと無いな」と徳島の演劇事情なんかを聞かせてもらいながらだったんですが、帰りはお互いの距離が近づいたこともあり、丸山+西本ペアが私に向けてのボケ攻め(?)を連発され、笑いすぎて変な汗をかき、汗が目にしみて涙も止まらないという地獄の車内となりました。
 
しかし丸山さん、とんちが効いてる。
まだ丸山さんが書かれたまんまるの作品を観たことがないことが判明したので、こちらも期待しておきます。