からくりシアター「路地裏のメモリー」(2017.06.16)

昨日は蛸蔵にて、からくりシアター「路地裏のメモリー」を観劇してきましたよー。
一昨年に解散した高知の老舗劇団、センター90のメンバーを中心に昨年旗揚げされた、からくり劇場さんとの兄弟劇団という、からくりシアターさん。
基本劇団所属メンバーは変わらず、演出がはぐれ庵さんか谷山さんかで名称が変わるのかな?
客演を招くか否かで名称を変えるのかな?
オリジナル戯曲を中心に上演するのがからくりシアターさんなのかな?
いや、からくりシアターさんは昨年の蛸蔵ラボは既成の戯曲で参加したな。
はて…??
と、当人に聞けば一発で解決することを詮索するのはやめよう。次回公演までに聞いておくようにします。
(追記:はぐれ庵さん演出がからくり劇場、谷山さん演出がからくりシアターとのことです)
ひとまず、さまざまな面でのキャリアと実力を持ったからくりシアターさんです。

蛸蔵で130席という無茶な客席設定をして、それでも本番2週間前に4ステージ全公演完売するという人気っぷり。
しっかりチケットを売っているからこそ、舞台装置もしっかり予算と熱量を込めて作られています。
それを引き受けたのが舞台装置と舞台監督を務めた岡内委員長(TRY-ANGLE)。
小屋入り前に叩き作業をされてるところをちょろっと見学したのですが、そこだけで本気っぷりが伝わってきました。
というのも、蛸蔵は通常のエンドステージだと間口は4間とお伝えしているものの、実際は巾木的な構造物の関係で平台を4間分敷くことができないのですが、委員長は「それなら既成サイズじゃない平台を作ろう!」と、サイズは既成じゃない、しかし作りはまごうことなき立派な平台を作っていました。すげー。すげー。
ちなみに委員長は演劇祭前週のシャカ力、今回、そして翌週のTRY-ANGLEと、3週連続で舞台装置を担当しています。
蛸蔵で暮らす男・委員長に大きな拍手を。

舞台がしっかりできるからこそ、演出谷山さんのいろんなアイデアが実現するんだろうなー。
オープニング、そしてラスト前のアングラ感(大好きw)!そのイメージをしっかり再現する照明の前田澄子と音響の小松さん(両者ともこれまたTRY-ANGLE)。特にすみこの照明、よかったなー(途中フリッカーがちょこちょこ入ったのはユニットのせいだったのかしら)。小松さんの音も丁寧だったなー。TRYが自劇団だけじゃなく、いろんな形で高知の演劇シーンを担っているのがよく分かります。素晴らしい!

お話についてはまだ上演中なので詳しく書きませんが、最後の伏線回収というか、リフレインというか、見事でしたねー。
物語の世界観としては、ファンタジーとリアリティのラインをうまく漂うような居心地の良さでした。が、「戻るべき世界」と「記憶の世界」がどう繋がっているのか、観る方は序盤からしっかり想像力を膨らませないとちょっと大変かも。

出演陣については、もうお見事としか言いようのないです。
みんなそれぞれ個性的で、個性的すぎて胸焼けしそうでw、だからこそお話の主軸を担う刈谷さん、YUKIさんの誠実な演技が際立つのでしょうねー。特にYUKIさん、可愛かった。可憐だった。素敵だった(と、永遠のナイス上司と変わらぬ感想を表明)。

とは言いながら、これだけ実力のある皆さんが舞台に揃いながら、2ステ目のジンクスというか、微妙な合わなさや、ヘンな間がちょっと気になったのも事実。
いやー、舞台は恐ろしい。クオリティが高くなれば高くなるほど、目指すべき到達点も高くなるし、少しのあらも目立っちゃう。
それでもきっと、さらに高みへ向かっていく皆さんの今後の作品に期待します!!
今回見逃した方は、次回は早めにチケット購入を!!