シアター風姿花伝プロデュース公演「THE BEAUTY QUEEN OF LEENANE」(2017.12.27)

今年の観劇納めはノトススタジオにて、シアター風姿花伝プロデュース公演「THE BEAUTY QUEEN OF LEENANE」を見てきました。
 
これまで読売演劇賞に何度もノミネートされたり、松本さんの照明が賞を取ったり、斎藤さんが制作で入ってることも関係して、いろんな情報だけ知っていたシアター風姿花伝公演。
それがなんと今回、斎藤さんのご縁で四国学院大学のアートマネジメント講座の一環として、唯一の地方公演が香川で実現しました。
本気でここ最近の四国の演劇事情はなんだかすごいことになっていますなー。
 
で、感想。
なんというか、俳優、スタッフ、演出もそう、すべてがここまでのクオリティだと、どこからどう感想を書いて良いのか状態。
なのでお話の感想をば。
 
舞台はシンプル(でもすごく美しくて機能的…というか説明過多じゃない)なお家。
場所は閉塞感溢れるアイルランドの片田舎。
そこに暮らす70歳の母親と40歳の娘のさらに閉塞感のある暮らし。
互いに依存しながら、反発しながら、けど確実に離れられない関係性の重さ。
 
僕の好きなヒートウエイヴというバンドで「MY FAMILY」って曲があって、その一節に「バラバラになった花瓶のように 家族はそれぞれの破片になり そこに咲いてた花たちに 二度と戻る場所はない」という歌詞があるのです。
 
近くって遠い関係と思ってる家族。
閉塞感しかないようなこの家でも、あまりに近すぎて憎しみしか見えないようでも、遠い関係のようにも感じる母と娘。
物語の後半、事件の起こる直前の嫌な空気。流れる台詞のほんの1フレーズで立場が逆転する瞬間。それでも娘に頼るしかない母親のシーンは、胸が苦しくなってしまいました。
 
カーテンコールで、ふたりが手をつないで帰るシーンは、もうなんだかいろんな感情がぐしゃっとなりましたな。
 
はぁ…。
まだ上手く整理できないですけど、ここまでの何かを客席で感じられるのは、演劇ならではですなぁ。
素晴らしい公演でした。
 
客席の配置がちょっと特殊で、さいとーさんに前で見ることをオススメされて下手側で見たのですが、照明がかなりアシンメトリーで、もう一回正面から見たかったなー。明日、松本大介先生から、照明プランやらいろいろお話を聞かせてもらおう(飲みながら)。
 
ということで、明日はお昼から蛸煮会。
気合いの芋煮作るので、食べに来てね。