おばちゃんず「ファム・ファタール」(2018.03.26)
観劇3連発のラストは、大阪・コモンカフェにて、空晴の岡部さん作・演出、万歳の鴨鈴女さんと、先日第20回関西現代演劇女優賞を受賞された林英世さん出演の、おばちゃんず「ファム・ファタール」でございました。
いやー、素敵な作品でした。
リーディングのスタイルで、ふたりの幼なじみの女性の半生…というか、主によくしゃべくる方のおばちゃんの恋の変遷を軸に進むお話。
べっちさんらしい小気味よい会話のテンポに、呆れながらも丁寧に話を受けて返すおばちゃんと、気の向くまま一方的に自分の話をしゃべるおばちゃんの対比がまた可笑しく、お話の後半からさらに浮かび上がるふたりの関係性は、ドラマチックなものではあるけど、普段の自分の暮らしの周りにも普通にありそうなもので、なんだか胸が痛くなったり。
10代、20代、30代、40代…と続く回想に、そして終着点を意識し始めた登場人物の姿に、のんべだらりと日々を生きている自分に何かしら焦りのような感情を覚えたり。
後悔のない人生ねー。
うーんー。
周囲の大事な人たちに、果たして自分は何ができるのかなー、何を残せるのかなー。なんてことを考えながらの帰り道でした(終演後ゴリさん、あゆさんに付き合ってもらって、いい感じで酔っ払いながら)。
みなさま、素敵な作品ありがとうございました!
そうそう、もう一点。
リーディングという動きに制約がある形だからこそ、ちょっとした視点の動かし方や間のつかみ方で、言葉にならない心情を表すあたりは、おふたりのキャリアがあるからこそで、でもそんなキャリアに奢らずに、丁寧に、根気強く作品に取りかかる姿勢(終演後のあいさつで言われてた、鴨さんのダメを聞く姿勢とか)って、ホントに大事なことなんだなーって思った次第です。
あと、基本は高い椅子に座って本を読む形で、回想シーンのたびに椅子から降りて、やーっと暴れ出すのですが、それが終わって椅子に戻るところが、回数を重ねるごとにしんどそうに見えるのも演技ということでw