Unit out「季、寄せ来」(2018.05.27)
昨日はシアターねこにて、Unit out「季、寄せ来」を見てきましたよ。例によって感想文。
実はわたくし、これまでシアターねこさんに伺ったことがなく、今回念願叶っての初ねこでした。
4年前にねこの鈴木さんを招いて蛸蔵でフォーラムしたり、アートマネジメント講座で何度かご一緒したり、高知の舞台人から伝わる会場の情報(舞台の寸法やら照明回路やら)をずーっと仕入れていたため、頭の中で出来上がっていたねこのイメージが目の前に拡がったこの感じは「はじめてなのに、私はあなたのことを知っている…」みたいなw、なんとも不思議な瞬間でした。
そしてUnit outさんも、ずいぶん仲良くさせてもらっていたのに、ちょうど演劇際で高知に来られた時は自分の入院中だったりで、こちらも念願叶っての初観劇。ドキドキしながら満席の客席に座り、さあ開演!
お話は、とある会社の倉庫の一室を舞台に、そこを使わせてもらっている俳句サークルと野球部の方の人間模様を描いていました。
会社内の人間関係、サークル内での関係、小学校の頃から思いを寄せる相手、共に青春を過ごした友人との関係、夫婦や家族の形…。
静かに流れる時間の中、少しずつ変化していく関係性…の中に、急速に膨らむ想いが生まれたり、ある意味乱暴な言葉や行動があったり。
設定含め、丁寧に描かれる作品の世界の中で生まれる、そんな劇的な瞬間にこそリアリティを感じてしまい、なんとも言えないザワザワが胸に残りました。
時間軸のつなぎ方は非常に丁寧に描かれており、その飛んだ時間(=その部屋以外で起こった出来事)は一定台詞で補完されていましたが、それでもかなりの部分は観客に委ねていたと思います。
その中で、おそらく物語の中心となるふたりの女性の関係が、自分の頭で想像していた関係と、舞台上で抱きしめた瞬間のぎこちなさが一致しなかった場面があって、その正解のない感じがまた面白かったです。
季節の移ろいと、変わっていくもの、変わらないもの、それを見つめる作者の眼差し。
俳句って面白い。
素敵な作品でした。
玉井さん、皆さん、ありがとうございました!