劇団まんまる「吃音ヒーロー」(2018.06.02)

演劇祭KOCHI2018開幕!

オープニング恒例の各劇団あいさつは、相変わらず個性的でアットホームでよろしいですな。

非常に良い雰囲気で始まった今年の演劇祭、トップバッターは徳島の劇団まんまるさんです。

まんまるさんの作品は、蛸蔵ラボに参加してもらったのと、TRYとの合同コント公演を見たぐらいで、単独公演を見るのは初めて。さらに今回劇団初の長編とのことで期待いっぱいで見させてもらいました。

今回の作品は、過去に見た公演でも感じた大阪圏のお笑い文化に通じる作風はそのままで、某ゲームをオマージュしたファンタジーの世界を巡る旅劇団の劇中劇という構図。

まず冒頭の劇中劇のシュールさにやられました。

設定のシュールさと、それをキャラクターの力で転がそうとするのは、シャカ力にも通じるものがありますが、いやはやそれにしてもシュール。

この物語がどこへ向かうのかとヒヤヒヤしたところで本来の物語に移り、さっきの劇中劇のシュールな面々がファンタジーの世界の登場人物という混乱も面白かった。

物語の本筋はある意味オーソドックス。ホントにドラ○○の1エピソード(余談ですが清水さんの村人の台詞に合わせた「トゥルルル、トゥルルル」がツボでしたw)のようなシンプルなものですが、場面の見せ方や展開の仕方、ちょっとした会話のやり取りもセンスを感じさせるものでした。

一番印象的だったのがエンディング(ネタバレ注意)。

Twitterでは一言「古典的で良かったなー」って書いたのですが、歓喜の村人、とまどう演出家、後悔の作家、悪の領主というバラバラのベクトルの感情が極まった瞬間の魅せ方と、どの立場にも沿わない視線で、多くを語らずに、あの場面で閉じた演出に「おおお!」と思った次第です。

一方で気になったのは、高知に移動しての設営、本番のためか、舞台美術についてはシンプルを(というか具象的にならないように)目指したと思うのですが、それでも美術の意図が見えにくかったり、「笑わそう」としてないところで「笑われる」ちょっとした段取りミスや細々した部分は、少し残念だったかしら。

仕込みメンバーは前日入りだったけど、それ以外の方は当日乗り打ちだもんなー。そういう意味では昨日を経て、今日の公演はさらに良くなるに違いない!さらに8月のホーム・徳島の公演もさらに良くなるに違いない!

みなさーん、今日もおきばりやすー!